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近藤サトさんのグレイヘアへの道のりとは?

白髪を染めない選択もある。グレイヘアへの道のりとは?

撮影・中村ナリコ  ヘア&メイク・若宮祐子(特攻隊) 文・薄葉亜希子

白い髪は、ポジティブに捉えると華と意思がある女性に見えます。

近藤サト(こんどう・さと)さん●フリーアナウンサー、ナレーター。1968年生まれ。報道、情報、バラエティ番組まで幅広く活躍。著書『グレイヘアと生きる』(SBクリエイティブ)が評判。
近藤サト(こんどう・さと)さん●フリーアナウンサー、ナレーター。1968年生まれ。報道、情報、バラエティ番組まで幅広く活躍。著書『グレイヘアと生きる』(SBクリエイティブ)が評判。

白髪染めのやめどきや移行の方法、老け見えへの不安など、グレイヘアに興味を持ちつつも多くの女性が悩みを感じているもの。そんな中、美しいグレイヘアでメディアに登場し、注目を集める近藤サトさん。鮮やかな変身ぶりからは想像もつかない、移行への道のりは試行錯誤の連続だったそう。

「思い立ってからここまで3年かかりました。思った瞬間すぐ移行に取りかかれたわけではなく、周囲からの反対にも迷いましたし、染めていた部分を脱色したら赤くなってしまったり、グレージュのヘアマニキュアを1年続けてもうまく切り替えられなかったり。最終的によし、今度こそ!と決めた時には美容室を替えました」

今までの自分を知るネットワークの中では、これまでの自分をよしとしてくれているぶん、引き戻す力が強いと実感。そこで、まっさらな自分として行ける美容室を探して相談した。

「担当の美容師の方は、はい、わかりましたといきなり髪をバッサリとカット。私のクセ毛が収まる長さにしてくれ、とにかく染めずに白髪が伸びるのを待つのがいちばんいいと」

そこからは毛先のカットを繰り返しながら、人前に出る時はリタッチアイテムで根元の白髪を隠してしのぐ日々。最初はマスカラやスプレーを使い、追いつかなくなるとファンデーション型に替えて白髪をカバー。さらに毛先の黒髪を生かしたアップヘアにするなどの工夫もした。この伸ばす過程は「残念ながら予想以上に美しくないんです」と当時を振り返る近藤さん。

「『富士山の初冠雪』と冗談を言ったりもしましたが、自分の頭が白くなっていく姿はどうしても落ちぶれたように感じてしまいます。でも、安心して。理想のグレイヘア像とのギャップは誰もが必ず通る道ですから」

まずはそれを受け入れてみることが、その先にある自分らしいグレイヘアへの第一歩となるのだろう。

人の印象は持続しないもの。くじけたら染めればいいんです。

近藤さん自身は移行中にグレイヘアをやめようと思うことはなかったが、「もしつらくなったら、また髪を染めてもいいんですよ」。白髪染めをやめるのを断念することはいつでもできる。

「人の印象は持続しないもの。また黒くしても周りはすぐ慣れてしまいます。ですから、絶対グレイヘアにすると思い詰めすぎず、試してみるくらいの気持ちではじめるのがおすすめ」

そう話す近藤さんのグレイヘアは、フェイスラインにまとまった白い髪がなびき、後頭部からえり足にかけては黒と白がミックスしてなんとも美しいコントラストが生まれている。

「主人はもうちょっと白い髪が多くてもよかったねと。息子も私が『黒に戻してみようかな』と言ってみたら、むしろ今のほうがいいと」

本人は「まだまだ、まだらの白髪で」と言うが、この混じる白髪が天然のハイライトのように立体感を出すのにひと役。毛流れを際立てて顔の印象も明るく華やかにしてくれる。

「グレイヘアはネガティブに捉えると当然老けて見えるのですが、ポジティブに考えると実はとても目立つもの。決して地味な奥ゆかしい女性という印象にはなりません。例えば、ディズニー映画でも真っ白な髪はシンデレラの継母や101匹わんちゃんの悪役クルエラなど意志が強く自立している女性の象徴です。白髪染めからの解放だけでなく、気持ちもどんどん自由になることができます」

選ぶ服ひとつとっても、黒髪では無理して着ているように見える服がグレイヘアにすると自然と似合うことも。

「白って親和性が高いんですよね。ブロンドのようなもの。新しい服にチャレンジしたり、楽しみも増えました」

『クロワッサン』1015号より

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