和食、ヨーグルト、腸内細菌……みんながダイエットのためにしている工夫に管理栄養士がアドバイス。
撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒
【工夫】
「家族は無類の炭水化物好きで、ラザニア、パスタ、カレー、パエリア、ビビンパといった料理を食べたがりますが、和食を作るようにしています。出汁を取り、海藻類、根菜を多く取り入れ、蒸し野菜などもおかずにして、塩分や油分が多くならないように気をつけています」(主婦・50歳 家族…夫50代、高1娘、中1息子)
【麻生先生】和食はいいけれど、良い油を摂って。
海藻は水溶性食物繊維が豊富でカロリーも低いからおすすめだけれど、根菜は糖質が多いので、食べるなとは言いませんが、食べ過ぎには注意が必要。
それから塩分・油分。塩分控えめはとてもいいですが、昭和世代、油は悪いと思い込んでいるでしょう? 油抜きダイエットが流行ったこともあるからしょうがないのですが、良い油をぜひ摂ってほしいんです。
食べてほしいのは、青魚に含まれる油やえごま油、亜麻仁油などオメガ3脂肪酸です。現代人の食生活はコーン油などオメガ6脂肪酸が過多で、オメガ3は不足しがちなため、生活習慣病やアレルギー疾患のリスクが高まると言われています。出汁を取って作る和食はとてもいいけれど、油が不足しがちなので、青魚を増やすなどしてオメガ3脂肪酸を摂るようにしてください。
【工夫】
「ダイエット中の娘と一緒に、朝はヨーグルトにしています。それだけだと足りないので、フルーツとミューズリーも加えて。お通じがよくなり、パン食だった頃に比べ手軽に用意できるので、ゆっくりコーヒーを飲む時間もできました」(パート・43歳 家族…夫40代、高1娘、小5息子)
【麻生先生】タンパク質を補うように。
朝はね、これから一日活動するから、何を食べてもいいんですよ。むしろ、もっとしっかり食べてほしいくらいです。ご自身もそうですが、ダイエットをしているという高1の娘さんが、朝これだけしか食べていないとしたら、タンパク質不足が気になります。
タンパク質は一度にたくさん吸収できないので、一日3食で少しずつ摂取する必要があります。ヨーグルトにもタンパク質は含まれますが、それだけでは足りないですから、卵や大豆製品など、タンパク質の不足を補うものを足してあげるといいと思います。
【工夫】
「子どもたちがおかずの種類や気分によって食べたり食べなかったりするので、余ると結局私が食べることに……。朝はごはんとタンパク質をしっかり摂り、子どもたちは生野菜を食べないが、私だけはサラダを追加。自宅にいる時間が増え、体重も増えていたけれど、ナッツや高カカオチョコレートなどをおやつにすることで、ひとまず増加はストップしました。なかなか痩せませんが」(ライター・44歳 家族…小学生と未就学の息子)
【麻生先生】野菜に豊富な食物繊維は腸内細菌の餌に。
最近、大注目をあびている腸内細菌の餌は、食物繊維なんです。野菜には食物繊維が多く含まれていますから、積極的に食べることはとても良いですが、生野菜にこだわる必要はないと思います。アメリカの暖かいエリアではローフードといって、生野菜から酵素や栄養素を積極的に摂る食べ方が流行りましたが、日本は四季がありますから、冬の寒いときに生で食べるのは抵抗があるでしょ。茹でたり蒸したりしたほうが、かさも減ってたくさん食べられると思います。味噌汁を具だくさんにするのもいいですよ。そしてお子さんにも野菜を食べてもらいましょう。
お子さんが食べ残した分は無理に食べず、翌朝、卵で包むなどしてアレンジするのがおすすめ。あるいは残すのを見越して、自分の食事は控えめにしておくのもいいと思います。
『クロワッサン』1013号より