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一人前をセットできるものの上に並べると、すべてがはえるのです――西川勢津子(家事評論家)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、家事のプロに来客をもてなすコツを教わりましょう。

文・澁川祐子

1978年5月10日・25日合併号「生活の技術」より
1978年5月10日・25日合併号「生活の技術」より

一人前をセットできるものの上に並べると、すべてがはえるのです――西川勢津子(家事評論家)

大正11年生まれの家事評論家、西川勢津子さん。昭和30年代にドイツの掃除法を紹介したことが話題を呼び、以来掃除から洗濯、料理、和裁洋裁と家事全般の評論で活躍し、多数の著作があります。

クロワッサンでは、1978年3月号より西川さんの連載「生活の技術」がスタート。日々の暮らしをちょっと潤してくれるコツを綴っています。

連載3回目のテーマは、不意の来客があったときのもてなし術。お昼どきにかかったら、その場で時間がかからずにできるあたたかいごはんものを用意するのが、お客の満足度も高いとすすめています。

紹介されているレシピは、チーズのリゾット、冷凍のグリンピースを使ったおこわ、キノコめしといった、おかずいらずのごはんもの。なかでもキノコめしは、ストックしておいた瓶詰めのエノキダケ、なめこ、山菜などで具材も味つけもいっぺんに済ませてしまうという簡単なもの。それにみそ汁や漬けもの、くだものなどを添えれば立派なお昼ごはんのできあがりです。

さらに盛りつけにもひと工夫。お膳やお盆、なければランチョンマットや手ぬぐいを折ったものでもいいから、とにかく一人前ごとにセットすること。そうするだけで料理がはえ、もてなし感もアップするというわけです。

たしかにこんなふうにさっとお昼を用意されたら、感心せずにはいられないでしょう。料理はさておき、一人前ごとの盛りつけは覚えていて損はないテクニックです。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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