冷蔵庫を整理することは、イライラ部屋解消への第一歩。
撮影・岩本慶三 イラストレーション・イオクサツキ 文・新田草子
ものがいっぱいで目当ての食材が見つからない、いつ作ったか思い出せない古い作り置き惣菜が中央に鎮座……そんなカオスな状態の冷蔵庫は、
「真っ先に整理することをおすすめします」と、料理研究家の番場智子さん。
「冷蔵庫は家の中でも女性が管理しやすい場所のうえ、スペースが限られているので手をつけやすい。そして何より、毎日目にする場所です。そこがきれいになって達成感が得られると、家のほかの部分も片づけたくなりますし、整理の基本が身につくので自然と応用できるようになる。散らかった住まいを片づける取りかかりとして、冷蔵庫整理はうってつけなんです」
かく言う番場さんも、かつては冷蔵庫にものを詰め込むタイプだった。
「仕事で疲れて帰ってきて、夕食を作ろうと冷蔵庫を開けるたび憂鬱に。私がイライラすることで、家族も不機嫌になってしまうのがイヤでした」
イライラの原因が冷蔵庫にあるなら、そこを絶対にスッキリと保てるシステムを作ろう︱︱そう決めて編み出したのが、今回教えてもらった収納法だ。
混乱のもととなる行動を断ち、目指すは「一目瞭然」の冷蔵庫。
番場さんのおすすめはまず、中身をすべて出しての総点検。
「混乱の原因を見極めましょう。切らしたら困ると思ってまとめ買いしていたり、冷蔵庫に入れる必要のない食材を入れていませんか? 目新しい調味料を買ってしまうクセも一因です」
そんな行動をやめ、カオスの元をきっぱり断ち、整理するのが第2ステップ。
「賞味期限が切れたものや1カ月使わなかった調味料、愛情を感じない食材は、思い切って処分します」
あとは、食材を正しく収めるだけ。
「ものの置き場所をすべて決めて、埋もれてしまうことがないように可視化していきます。冷蔵庫の風通しが良いと買い物やメニュー作りにも悩まない。いろいろなイライラ解消に役立ちます」
一度リセットし、ルールを決めれば、きれいに保つのは難しくないそう。
「何があるかわかっていれば同じ食材をうっかり買うことがなくなるし、場所が決まっていればそこから溢れる余分な調味料なども買わなくなります。クローゼットなどと同じ理屈ですよね。冷蔵庫は、住まいの縮図なんです」
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