【迪化街(ディーフォアジェ)編】エッセイスト・柳沢小実さんがセレクト。気分が上がる台湾のおみやげ。
撮影・黒川ひろみ、堀 由美子(店) 文・堀 由美子 コーディネーター・内海陽子(G.di.E) イラストレーション・宮城ユカリ
漢方薬、乾物、布、台所道具……。 見て歩くだけでも楽しい問屋街。
大華行-竹木造咖(ダーファーハン)
創業160年。五穀雑糧、竹細工、日用品とジャンルを変えながら商いを続けてきた老舗。現在の一番人気、メッシュ素材のバッグは、市場で働く人々が使っていたものをおしゃれに進化させた。こちらは4年前に独自のブランド『竹木造咖』を立ち上げ、色かたちとも、他の追随を許さぬ品揃えに。竹細工もピクニックボックスなどの大物からストローまで多彩。
秦境老倉庫(チンジンラオツァンクー)
趣味で集めていたものをネットで売ったら大好評。気付いたら店を構えることに……というのが、この骨董店の成り立ち。1950〜’70年代の台湾の日用品が中心で、陶器やグラスなどの食器類が充実。驚くほど良心的な値付けは、店主いわく“これが適正価格”。
「私が持っている台湾の古い器は、ここで出合ったものが大半。何度も通ってお気に入りを見つけて」
高建桶店(ガオジェン トンディエン)
創業80年超。ヒノキの浴槽や桶の販売から始まり、現在は台湾製の竹細工や木製品がぎっしり並ぶ。何万点もありそうな商品の価格をすべて把握している店主は3代目。看板商品は、店頭をポップに彩るビニールテープのカゴバッグだ。新作の開発にも意欲的で、ほかにはないデザインが続々。緻密な編み模様が目を引く最新作は、1週間に6個しか作れない希少品。
買い物の合間に一息つくなら。
新點子(シンディエンズー)
台湾の名産品を扱う食品店。おみやげ探しにも便利なこのお店、いつも店頭には人だかりが。その理由は、アイスキャンディーのセルフ販売に。ボックス内には、台湾産フルーツを使用した無添加の手作りアイスがずらり。店内外の椅子を借り、しばし涼をとって。
柳沢小実(やなぎさわ・このみ)●エッセイスト。暮らしにまつわる著書多数。最新刊『考えない 探さない ラクして整う住まい考』(KADOKAWA)が好評。
*1台湾元=約3.6円(2019年2月22日現在)
『クロワッサン』993号より
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