くらし

心躍る、学びの場と遊びの場が勢揃い。パナソニック 汐留ミュージアム 『子どものための建築と空間展』

  • 文・嶌 陽子
【ふじようちえん】(2007年) / 建築家:手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所) トータルプロデュース:佐藤可士和 / Photo(C)Katsuhisa Kida/FOTOTECA / 東京・立川市にある外周183mの楕円形の建物。屋根は子どもたちの遊び場。

一日に何度も行き来した学校の廊下や階段。放課後に走り回った公園。子ども時代を過ごした空間は、今でも記憶に刻まれているはず。そんな原風景を呼び覚ますような展覧会が開催中だ。明治時代から現代までの小学校や幼稚園、公園など、子どもの“学び場”と“遊び場”を時代ごとに紹介。写真や模型、図面など、それぞれに関する資料のほか、教育玩具、絵本の原画といった様々な展示品約170点を通じ、各時代の文化的背景も分かるようになっている。

【東松島市立宮野森小学校】(2017年) / 盛総合設計+シーラカンス K&H / 撮影:浅川 敏 / 東日本大震災で津波被害を受け、高台に移転。家型の屋根を持つ木造の教室群を森が取り囲む。

「学校建築には、子どもたちが安全に、楽しく過ごすためのアイデアがたくさん詰まっています。高名な建築家が面白い試みをしているケースも多いのです」(パナソニック 汐留ミュージアム学芸員・大村理恵子さん)

明治期の堂々たる擬洋風建築から、昭和期に新しい教育思想のもと作られた壁のない教室、さらには現代の建築家による巨大な楕円形の屋根の幼稚園まで。バラエティ豊かな建築やデザインの数々からは、それぞれの時代背景や、当時の大人たちが抱えていた子どもへの思いと期待が伝わってくる。

【モエレ沼公園遊具広場】(1982-1995年) /基本設計:イサム・ノグチ/ 写真提供:モエレ沼公園/ 撮影:並木博夫 / 彫刻家のイサム・ノグチが設計した札幌市の公園。ノグチは遊具彫刻も数多く手がけている。

「常に子どものためを考えているという意味では、どの時代においても、学校や遊び場づくりは“未来志向”であると言えます」(大村さん)

「自分が通っていた学校と似ている」「こんな公園で遊びたかった」など、自分の子ども時代を思い出しながら楽しんでいるうちに、今の子どもを取り巻く社会や環境にも自然と思いが及ぶ。未来を作る子どもたちが、のびのびと子ども時代を過ごすために、私たちができることは何か。展示作品の向こうから、そんな問いかけが聞こえてくるようだ。

『子どものための建築と空間展』
パナソニック 汐留ミュージアム ~3月24日(日)
パナソニック 汐留ミュージアム(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階) 電話番号03-5777-8600(ハローダイヤル) 10時~18時(入館は~17時30分) 水曜休館 料金・一般800円

『クロワッサン』992号より

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は本体のみ(税抜き)の価格です。税込表記の商品は、配信日が2019年9月30日以前の記事は消費税8%、2019年10月1日以降に配信の記事は10%(軽減税率適用のものは8%)が含まれています。

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE