【実家に身を寄せていたのは生前贈与?】読者の相続問題を、税理士が徹底解説。
お互いに言い出しづらい話題、「親のお金」のこと。しかし先送りすることにメリットなし。読者の実例をもとに税理士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーで広尾麻布相続センター代表の中島典子さんが解説します。
イラストレーション・山下カヨコ 文・板倉ミキコ
「実家に身を寄せて いたのは生前贈与?」
10年前に離婚し、子どもを連れて実家に戻りました。母はその前年に亡くなっていたので、そこからは私が父の身の回りの世話を含めて実家を守ってきたつもりです。私は当時小学生の息子がいたこともあり、父は「働かなくてもいい」と言ってくれ、家賃や生活費なども払ってはいませんでしたが、遊んでいたわけではありません。姉家族が帰省したときも、切り盛りをしていたのは私です。ところが父が亡くなったとたんに、姉が「実家を売って遺産分割を」と言ってきました。もちろん姉にも権利はあるのはわかりますし、幸い実家を売却すればかなりの金額になるので、それを元に引っ越しを検討しなければならないのかなと考えていた矢先、姉から「10年間、生活費や家賃を親に面倒見てもらっているのだから生前贈与にあたる」と言われてビックリ。姉の夫に至っては近所の家賃相場や私の息子の学費などもすべて遡って試算した文書を持ってきました。私の取り分からはその分を差し引くと主張するのです。それって、本当なんでしょうか?
姉圧C代さん(48歳 シングルマザー 子ども1人)
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