震災を経験してわかった、家具・日用品リスクの軽減法。
撮影・青木和義 文・丸山亜紀 構成・大川朋子
防災目線で家全体をチェックすると、危険な場所と対策が見えてくる。
【リビング】床や高いところにモノを置くとケガをする危険性が。
食器棚の上のホットプレートや土鍋、写真のワインラック等は厳禁。家族が集まるリビングを一番安全な場所にするため、床にはモノを置かず、棚を飾りすぎないようにする。
【キッチン】戸棚の中に入っていないものは全て落下するものと心得る。
地震の多い日本では、鍋を吊るすなどの「見せる収納」はモノが飛び散り、危険だ。延焼防止のためにもキッチン用品はすべて収納し、すっきりした状態に。非常時でも食事が作れるよう、広いスペースを確保する。
【洗面所】必要な衛生用品の数を把握し、定数管理する。
管理できない量の洗剤類は、日常でも必要ない。家族の分の歯ブラシ、タオル、数日分のトイレットペーパー、子どものオムツなど最低限のストックがあれば、当座はしのげる。
【寝室】転倒の恐れがある家具は寝室に絶対置かない。
就寝時に激震が起これば、ひとたまりもない。クローゼットがある家は、その中にすべてのものを収める。寝室以外に箪笥の置き場がなければ、クローゼットの増設を検討する。
【玄関】スムーズに逃げられるよう、玄関までの通路を塞がない。
水やビールの買い置きやダンボールが置きっぱなしになりがち。廊下から玄関は避難路でもあるので、傘やアウトドアグッズなども下駄箱に収め、扉を塞ぐことがないように。
【和室】必要なものがすぐに取り出せるようにモノを減らす。
季節家電、ストック、中身不明のダンボールなどがパズルのように積み上げられた押し入れ。家族共有と個人でゾーンを分け、モノの在りかを把握する。取り出しやすいように。
【物置】モノが無秩序に詰まった物置部屋は危険な場所になる。
地震の際に居合わせたら、机や本棚が倒れ、閉じ込められてしまう。また、必要なアイテムがあっても取り出すのは難しい。モノを減らし、どこに何があるかわかる状態にする。
石阪京子(いしざか・きょうこ)●片づけアドバイザー。宅地建物取引士でもあり、夫と不動産会社を経営する中で、どんな家でも片づけきるメソッドを完成。著書は『夢をかなえる7割収納』(講談社刊)等。
『クロワッサン』982号より
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