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安全対策と整理収納、そして備蓄は災害サバイバルの3本柱。

台所は、大きな揺れが来たとき、家の中で最も危険な場所。どのような片づけと備えが必要なのか専門家に聞きました。

撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり

レトルト食品は卵焼き器で。そんな意外なアイデアも。

熊田家で食品が備蓄されているのはキッチン戸棚の見やすい場所。
「非常食にもなり、日々食べられるものを在庫が切れないようにストックしています。レトルト食品、インスタント食品、乾物など保存性の高い食品を中身がわかるようにラベリングして、かごに収納しています。かご収納は一目で在庫量が把握できるので補充の目安がわかりやすいです」

扉裏には被災したときの1週間分の献立表が貼ってある。
「もし被災時に私が不在でも、夫や息子が献立表を見て戸棚の食料品で簡単に食べられるようにしてあるんです。主食の炭水化物と主菜のたんぱく質を組み合わせて、家族が好きな食べ物で献立は考えてあります」

被災生活で最も貴重なのは水。防災&整理収納のプロの知恵は次のようなところにも活かされる。
「レトルト食品を温めるのに最小限の水と熱エネルギーで済んで、サイズもぴったりなのが卵焼き器なんですよ(笑)。この省エネは絶対おすすめです」
しかも非常時にレトルト食品を温められるように、水道水を水筒に入れてシンク下に常時保管しているという熊田さん。熱源として準備しているのはカセットコンロ。都市ガスや電気が止まったときにも調理ができる。カセットコンロは災害時には最も頼もしい道具なのだ。
「食品備蓄の場所も発想を変えましょう。水だけでも家族3人で1週間分63L必要になりますから、台所だけに収納するのは無理です。我が家では水や食品を分散収納しています。玄関のシュークローゼットに2Lと500mlのペットボトルの水を置いていて、外出するときはそこから500mlを1本持って行きます」
熊田家ではインターネット通販の定期便を利用し、一定期間ごとに自宅に水が届くようにしている。またリビングには、お菓子や野菜ジュースの保管場所も設置している。
「被災後、野菜ジュースなら心強い栄養ドリンクになってくれます。お菓子も甘みが大きな癒やしになります」

ペットがいる家庭はペットフードの備えも1週間分以上は確保したい。
「備蓄といっても普段食べているものを多めにストックする方法は、日常生活の延長線上ですから、無理をせず万が一に備えましょう」

断水時、調理に使えるよう水道水を常に水筒にキープして。

熊田さんはシンク下に水筒を常備。3日に一度、水道水を入れ替えて、いざというときのために備えている。水道水なら3日程度は調理に使用できるからだ。「まさに命の水。少しでも多く確保することが大切です」
熊田さんはシンク下に水筒を常備。3日に一度、水道水を入れ替えて、いざというときのために備えている。水道水なら3日程度は調理に使用できるからだ。「まさに命の水。少しでも多く確保することが大切です」
卵焼き器はレトルト食品のパッケージとほぼ同サイズ。底が浅いのでごく少量の水だけで、効率よく温められる。
卵焼き器はレトルト食品のパッケージとほぼ同サイズ。底が浅いのでごく少量の水だけで、効率よく温められる。
熊田さんはシンク下に水筒を常備。3日に一度、水道水を入れ替えて、いざというときのために備えている。水道水なら3日程度は調理に使用できるからだ。「まさに命の水。少しでも多く確保することが大切です」
卵焼き器はレトルト食品のパッケージとほぼ同サイズ。底が浅いのでごく少量の水だけで、効率よく温められる。

被災しても余震が少なくなる頃から火を使える。カセットコンロは持ち運びできて便利。

ライフラインの復旧で時間がかかるのはガス。「カセットコンロがあれば調理ができるし、被災時に温かい料理が食べられると落ち着きます」。肝心なのはカセットボンベの備蓄。1日1本を目安にカセットコンロと一緒の場所に6本用意し、残りは納戸に分散収納。
ライフラインの復旧で時間がかかるのはガス。「カセットコンロがあれば調理ができるし、被災時に温かい料理が食べられると落ち着きます」。肝心なのはカセットボンベの備蓄。1日1本を目安にカセットコンロと一緒の場所に6本用意し、残りは納戸に分散収納。

熊田明美(くまだ・あけみ)●防災士、整理収納アドバイザー。防災士だけでなく、防災備蓄収納プランナー協会( https://bichiku-shunou.or.jp/ )の防災備蓄収納マスタープランナーとして認定資格講座を開催している。

『クロワッサン』982号より

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