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【紫原明子のお悩み相談】マッチングアプリを使わない自然な恋愛がしたい!

『家族無計画』や『りこんのこども』などの著書があるエッセイストの紫原明子さんが読者のお悩みに答える連載。あなたもお悩みを投稿してみませんか?

<お悩み>

紫原さん、こんにちは。都内で出版社に勤めている30歳の女です。
私の悩みは、彼氏がほしいし結婚もしたいのですが、出会いアプリや婚活サービスをどうしても使いたくないことです。

自然に出会って恋愛・結婚したいと思うのは年齢からして身の程知らずな願望とは思いますが、どうしても嫌なのです。知らない人を選別するためにあれこれメッセージをやりとりして、会って、失望したり喜んだり…結婚するためにネットで色々な知らない人のプロフィールを見ること自体、ものすごく退屈で苦痛です。実際会ってみて話が続かないと、さらに地獄の小一時間半が流れます。

そもそも大学のときになんとなーく付き合い始めて8年間続いてしまった彼氏がいました。27のときに別れました。最後の3年間は完全にセックスレスでした。 仕事を言い訳にして私には向き合ってくれない人でした。 その経験もあって、人生に一度でいいので、好きでしょうがない人と付き合ってみる、そんな経験がしたいのです。ネットとかじゃないんです。人柄が分かる人、身近な人とできれば恋愛したい。少しずつ詰まっていく間合いとかを経験してみたいんです。

いい歳してなんだって感じですが…仕事関係の人には何度か恋をして、ごはんに誘ったり自分から色々と手を尽くしましたが、うまくいきませんでした。手酷くふられたこともあれば、いつの間にかなんとなく距離を置かれてサヨナラなときもありました。割と傷つきましたが、しょうがないですね… 友達に男友達が多いようなタイプは少なく、紹介は期待できません。仕事関係でもあらかた失恋しつくしました。サークルに入るほどの趣味もありません。でも、自然な恋がしたい。どんだけ無謀だと言われようが、したいのです。したいんじゃー!! 本当につまらない無い物ねだりなのですが、むかし紫原さんのセックスレスのブログを読んで大変共感したので、紫原さんにぶつけてみました。現代の自然な恋愛ってなんでしょうかね。
(相談者:きんぴらごぼう/都内で出版社に勤めている30歳の女です。独身です。大学のときから付き合っていた彼氏と別れてから、3年間彼氏がいません。)

紫原明子さんの回答

きんぴらごぼうさん、こんにちは。
美味しそうなお名前でご相談いただきありがとうございます。白いご飯が恋しくなりました。恋しくなったんじゃー!!……よし、チューニングもバッチリです。

さて、自然な恋愛です。
たしかにきんぴらさん(※大変恐縮ですが便宜上ここからそのように呼ばせてください)のおっしゃるとおり、マッチングアプリって徒労に終わることも多いですよね。近所に住んでいたり、同じ会社に勤めていたり、同じ学校に通っていたり、それほど生活圏が被っていたとしても話が合うとは限らないのに、ほんのいくつか条件を設定して縁あっただけの人と、会って突然話が合うということはなかなかなさそうです……って、あれ? だけどよく考えてみれば私、元夫とはメル友募集掲示板で知り合って、メール交換を経て結婚したんでした。出会い系からの結婚、してました。とは言えそれは今から20年近く前のことで、当時そういったサービスの利用者はパソコンでインターネットなるものをやっている物好きな人(当時はまだネットが普及していなかったのでそんな感じでした)というバイアスがかかっていた上に、母数だって今とは桁違いに少なかったですからね。マッチングの難易度は今の方が圧倒的に高いのでしょう。

だいたい、恋人のどこが好き? と聞かれても多くの人がピンポイントで答えられないように、なんだかよくわかんないけど好き、もしくは好きになったと錯覚する、恋ってそういうものですからね。仮にもし好きな理由が一つしかなかったり、あるいは綺麗に因数分解できようものなら、同じ条件のほかの人に、いくらでも代替可能ということになってしまいます。もちろん好みの問題ではあるでしょうが、恋愛にしっかりとした理想を持っていらっしゃるきんぴらさんになら、きっと分かっていただけると思います。

そんなきんぴらさんは、身近な人、人柄が分かる人と自然な恋愛したい。でも、紹介は期待できないし、仕事関係の人には失恋し尽くした、とのこと。

この、“仕事関連の人に失恋し尽くした”ってところ、いいですねえ。いただいた文面から察するに、きんぴらさんはきっとコミュニケーション能力が高くて、ポジティブマインドで、さらに努力家で、恋人がいようといまいと、基本的には自分の人生を自分の力で楽しめる方なのだと思います。

そういう方はたいてい周りが放って置かないので、もしかするとご相談をいただいてからこうしてお返事させていただくまでに、さっさと自然な恋愛を始められている可能性もなきにしもあらず。もしそうであれば、ここから先は特に読まれなくても結構です。貴重な時間は愛の育みに使っていただければと思います。……が、もし、万が一、状況が変わっていなかったときのために、今回はきんぴらさんのために、自然な恋愛をスタートさせる極めて実践的な方法を考えてみました。まずは今回、身近な人が良いということ。しかし同時に身近な人には失恋しつくしている、ということでもあるので、ちょっとひとまずマッチングアプリ以外で始まる恋愛を“自然な恋愛”とさせていただくこととし、第一には何をおいても数を増やしたほうが良いだろう、ということで【自然な出会いの数を増やすための施策】を。また、いくら失恋し尽くしているといっても実は、本当は恋愛が始まる可能性を秘めている相手を、ないな、と見落としている可能性もありますので、あらためて【既に済んでいる出会いを棚卸しするための施策】も考えてみました。で、さらに、ないな、と思う相手は極力少ない方が良いので【自然な恋愛の対象を広げるための施策】を最後に用意しています。比較的盛りだくさんでお送りしますので何卒ご査収ください。

【自然な出会いの数を増やすための施策】
1. 名前と電話番号、もしくはLINEアカウント等連絡先を書いたハンカチを全国各地に100枚落とす。(拾ってくれた人との出会いに期待)
2. 名前と電話番号、もしくはLINEアカウント等連絡先をアルファベットで書いた紙を透明なボトルに入れて海に流す。(拾ってくれた人との出会いに期待)
3. 雨予報の日には折り畳み傘を必ず2本持って家を出る→傘を持っていなそうな好みの男性に出会ったら「2本持っているので、これ、どうぞ」と言ってそっと1本差し出す。※差し出す方の傘には当然名前と電話番号、もしくはLINEアカウント等連絡先を書いておく。(傘のお礼をしてくれる好みの男性に期待)
4. 傘を持っていなそうな好みの男性がいない雨の日にはあえて傘をささず、ずぶ濡れになって歩く。(好みの男性による傘の差し出され待ち。ただし個人的な統計上、幸いにも傘を差し出してくれる人の約9割はおばあちゃんであることに注意)
5. グーグル・マップをスマホから削除し、行ったことのない目的地までは必ずその辺にいる好みの男性に道順を尋ねるルールを自分に課す(自分、近くまで行くんで送りますよ、からの自然な恋愛に期待)。
6. 1日1回5分程度、「ないないどこだどこだ……」と困った顔で言いながら路上に座り込んで落としたコンタクトレンズを探す振りをする。(親切な好みの男性がコンタクト探しを手伝ってくれることに期待)。
7. 好みの男性店員が働いているカフェで飲み物を頼み、店を出る際にコースターの裏に名前と電話番号、もしくはLINEアカウント等連絡先を書いて残しておく。
8. 一人旅に出る。※宿はユースホステルかゲストハウス
9. 旅先で思いがけずお世話になった好みの男性にサンキューカードを配る(カードには名前と電話番号、もしくはLI…省略)
10. 東京オリンピックのボランティアスタッフに応募する。※ただし2020年
※ちなみに1番のハンカチ100枚ですが、100枚にナンバリングをしてどの場所に何番を落としたかを記録しておくと、どこに落とすと回収率が良いかなど最終的にデータが取れて良い、とビッグデータに詳しい友人が言ってました。よければぜひ参考にしてみてください。

【既に出会い済の人材を棚卸しする施策】
1. しばらく会っていない独身者とご飯に行く。(ちょっと会わない間に自分や相手の内面、外見が思わぬ変化を遂げており、かつてはちょっと違うな、と思っていたのに急にそんなに違わなくなっている、という可能性あり)
2. 同窓会を主催する(幼少期からの知り合いを再発掘)
3. パーティを主催する(友達の友達まで大集合)

【自然な恋愛の対象を広げるための施策】
1. 会話がつまらない相手には→相手が一番熱く語れる話題を探してみる。(思わぬ一面が垣間見えるかも)
2. 話が苦手そうな相手には→自分の話をとことん聞いてもらう。(案外聞き上手かも)
3. 可もなく不可もない相手には→一生懸命ご飯を食べている様子を観察し、頑張って生きようとしているんだなあと心の中で言葉にできない愛着心を育てる。

以上です。いかがでしたか? ……と量産型のウェブ記事のような締め方で終わりたくなるほどいつになく明日から使える実践的なティップスを満載でお届けしました。いや、もしかするとなかにはやや非現実的なものが混じっているかもしれないけれど、このうちのいくつか、きんぴらさんならばきっと挑戦してくださるだろうと、勝手に厚い信頼を寄せています。

実りある挑戦となりますように……!

イラスト:わかる

紫原明子● 1982年、福岡県生まれ。個人ブログが話題になり、数々のウェブ媒体などに寄稿。2人の子と暮らすシングルマザーでもある。Twitter

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