歌人の俵 万智さんが手みやげに推薦!宮崎の『ゲシュマック』のシンケンズルチェ。
撮影・中島慶子 文・嶌 陽子
日々実感する、宮崎の食の豊かさをぎゅっと凝縮。
2年ほど前、歌人の俵万智さんは縁あって宮崎市に移り住んだ。暮らしてみて驚いたのが、食の豊かさだ。
「魚介類も肉も本当に新鮮でおいしいです。何より、野菜がすごい。手頃な価格なのに、味に力強さがあるんです。今日の食卓は全部地元産の食材だった、なんてこともしょっちゅう。日常の食に底力を感じますね」
今回挙げてくれたシンケンズルチェ(ハムとマッシュルームのゼリー寄せ)も、地元で見つけたお気に入り。宮崎市から北に35㎞ほど行った川南町にあるハム・ソーセージ工房『ゲシュマック』のものだ。直営農場で育てた豚から作るハムがぎっしり、惜しげもなく入っている。
「ウチでよくする飲み会に、あるとき友人が持ってきてくれたんです。とにかくハムの旨みがしっかり味わえるところが好き。マッシュルームも絶妙な加減で入っていて、食感もいい。よく冷やした白ワインにも、ビールにも合いますね」
以来、お店で買ったり、お取り寄せをしたり。自宅で息子と楽しむのはもちろん、手みやげに持っていくことも多い。
「見た目が華やかなので、友人のホームパーティーによく持っていきます。スライス済みなので、お皿に盛るだけ。台所を借りなくてすむのも気楽です」
時にはクール便で県外の友人に贈って喜ばれることも。宮崎の味を、ひそかに広めている。
「あまり知られていないけれど、この土地には手間ひまをかけて作られた、レベルの高いものがたくさんあります。宮崎産のキャビアは塩加減も風味も最高で素晴らしい。アボカドもすごくおいしいです。あと、佐土原なすって知ってます? これを焼きなすにすると最高ですよ」
宮崎の食について語りだすと止まらない俵さん。どうやら南国での暮らしを満喫しているようだ。
俵 万智さん
たわら・まち 歌人
1962年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、国語教諭に。1987年に第1歌集『サラダ記念日』を出版、ベストセラーとなる。『プーさんの鼻』で第11回若山牧水賞受賞。近著に『牧水の恋』(文藝春秋)。
ゲシュマック●宮崎県児湯郡川南町大字川南23028 電話番号0983-27-0878 営業時間:10時〜18時、第2水曜休。お店には食事ができるレストラン(11時〜15時)も併設されている。シンケンズルチェは100g (2枚入り) 360円。賞味期限は未開封で10日間。オンラインでも購入可能。
http://www.geschmack2002.com/
『クロワッサン』982号より
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