『魂抜けています!』「半分、青い。」脚本家北川悦吏子インタビューVol.1 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン
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『魂抜けています!』「半分、青い。」脚本家北川悦吏子インタビューVol.1

連日視聴率20%超えのNHK連続テレビ小説、「半分、青い。」(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)が9月29日に最終回を迎えます。
クランクアップ後、脚本を手がけた北川悦吏子さんがメディアの合同取材に応じてくれました。クロワッサン オンラインでは最終回までに3回に渡り、北川先生のインタビューをお届けします。第1回目は北川さんに156話分の原稿を書き上げた率直な感想を伺いました。

156本分の原稿を書き上げた率直な感想は……

写真提供=NHK

「魂抜けています!」
現在、全話を書き上げた率直な感想を聞かれた北川さんは、笑顔で記者の質問に答えた。

「15分×156話を書くということはもちろん覚悟していましたし、脚本家仲間の間でも、朝ドラは脚本家にとって、最も大変な仕事だと言われています。
『やりたい』という気持ちだけではじめましたが、こんなに大変か、と」
先ほどの笑顔とは打って変わって、朝ドラの脚本の大変さを吐露。

「連続ドラマや映画の脚本とは全く違うノウハウで、朝ドラを生み出すためのワザを、試行錯誤しながら編み出し続けていた1年半でもありました。すごい経験をさせてもらったな、と思っています。
1話につき、3日間しか執筆の猶予がなく、1日目と2日目は追い詰められて、どうするんだろうって思う瞬間がなんどもあって。

それこそ漫画を書いていた頃の鈴愛(すずめ)のように、毎日、クリームたっぷりの甘いものをガーッと食べて、そう、まるで、F1レーサーがタイヤ交換するみたいに、糖質を補給し、執筆していました。
極限状態です。いつクラッシュしてもおかしくない、というところまで追い込まれます。容赦なく。それでも三日に一本書けるか。自分に、どこまで才能があるか試されている。尋常ではない日々でした」

と語り、取材陣を驚かせました。

写真提供=NHK

『半分、青い。』のタイトルは自分の経験から。

『半分、青い。』というタイトルの意味を改めて聞かれると、
「みなさんタイトルの意味について、いろいろ考えてくださっていますが、本当に直感的に決めたタイトルなんです。
今から4~5年ほど前に、私自身が左耳を失聴しました。左耳が聞こえなくなった後に、雨の日に傘をさしたら、私の左側だけ雨が降っていないんです。
あれ、これなんか面白い、と思ったときに浮かんだタイトルなんですね。多分、そのときの空の青と、半分聞こえない耳が、リンクしたから、出てきたタイトル。自分自身で、そのタイトルが降って来たことに震えました」と、回想。

これまで印象に残っているセリフはと聞かれると、
「鈴愛が左耳を失聴した時のナレーション、『私の世界は、半分になった』(11話・第二週「聞きたい!」)は、左耳を失聴した直後の私の実感だったんですよね。その時の気持ちをそのまま鈴愛のナレーションにしたんです。
このセリフは失聴してないと書けなかったセリフ、想像しただけでは書けないかな」と話した。

そして、いよいよ今週、来週で最終回の『半分、青い』。最終回に向けてのコメントをお願いすると、
「多分、賛否両論の意見が飛び交うと思います。覚悟はしています。
でも、なぜそれを書いたかというと、それを書かないと物語が終われない、と思ったんです。視聴者を煽るために書いた訳ではありません」
途中までは視聴者の反応を想像しながら、しかし最後はきっぱりと強い口調で言い切る北川さん。最後には、
「朝ドラの脚本は、真っ正面から(作品に)向かって、逃げないで書いた156本でした」
と話し、ますます最終回への期待が高まるインタビューとなりました。

クロワッサン オンラインでは9月29日の最終回までの間、北川さんのインタビューをさらにあと2回、お届けします。次回はそれぞれのキャラクターへの思い入れについて伺いました。お楽しみに!

【番組情報】
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)
月曜~土曜 あさ8時から(NHK総合) ほか
https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/index.html

撮影/萩庭桂太

北川悦吏子(きたがわ えりこ)

1961(昭和36)年12月24日生まれ。脚本家・映画監督。
1992(平成4)年に「素顔のままで」で連続ドラマデビュー。主な作品に、社会現象となった「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」。そして、「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など。2009(平成21)年には、映画の世界にも進出し、脚本監督作品に「ハルフウェイ」「新しい靴を買わなくちゃ」。活動は多岐に渡り、エッセイや作詞などでも、人気を集める。NHKでの執筆は、2016(平成28)年ドラマ10「運命に、似た恋」が初。今作が2作目となる。


『秋風羽織の教え 人生は半分、青い。』

秋風羽織 著 北川悦吏子 著
定価:1,404円 (税込)

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