キラキラとした初夏の光が差し込み、新緑の木々や色とりどりの草花に囲まれて、可憐なバラが咲き始める。本誌目次ページの連載でもお馴染みの平井かずみさん宅の、5月の庭の風景だ。
「一番好きな花は?と聞かれたら、やはりバラと答えます」という平井さん。18年前、念願かなって手に入れた10畳弱の広さの庭には100種類ほどの植物が共生しているが、バラは特別な存在。心惹かれるのは、原種やオールドローズと呼ばれる昔ながらの品種だ。
「ここに咲いている濃いピンクのラ・レーヌ・ヴィクトリアや蔓バラのポールズ・ヒマラヤン・ムスクもオールドローズです。華やかで強いイメージのバラとは少し違って、俯いたような咲き方や細くしなやかな茎、優しい表情がなんとも儚げで、愛おしく感じます」