料理家 山脇りこさん「梅干しで惣菜の味つけ、絶対におすすめです!」
撮影・小林キユウ スタイリング・渡邊美穂 文・室田元美
たいていの家のキッチンにある梅干しだけれど、料理に使うことはあまりないのではないだろうか。
「おにぎりやお茶漬け、ごはんのお供だけだともったいない」と話すのは、料理家の山脇りこさん。
「塩分のほかに旨みもある梅干しは、和食だけじゃなくて中華やイタリアン、いろいろな料理に合います。味わい深い塩だと思って使ってほしいですね」
そう、梅干しは究極の調味料。量を加減することで、たいていの料理に使えるのもうれしい。しかも梅干しを加えることで、「味に奥行きが生まれる」とのこと。
「酸味も夏バテ防止になりますよね。私が夏によく作るのが『梅トマトごはん』。トマトと梅干しを丸ごと炊飯器に入れて炊くだけですけど、ほのかに酸っぱくて、おかずが要らないくらい、いい味で、お弁当にも向いています」
野菜や肉、魚と煮込むときには梅干しの種を取らずに使うのが、山脇流おいしく仕上げる秘訣。「果肉と種の旨みが出やすいように手で割って」、季節の野菜の旨煮やスープ、ジャムなどに種ごとポン。にんじんやかぼちゃなど甘みのある野菜とも相性がいいし、切り干し大根やひじきなどの乾物を梅干しで煮てもおいしい。
和え衣やドレッシングにするときは、種を取って果肉をたたいたものを使う。
「たたき梅は、きゅうりの梅もみや、サラダのドレッシング、パスタソース、すし酢などに幅広く利用できます。まとめてたたいて瓶に入れておけば、いつでもさっと使えて便利ですよ」
ごはん、麺類、おかずとくれば、デザートにも?
「甘酒と梅干しを混ぜて凍らせたり、市販のアイスの上から梅干しジャムをかけたり。パンケーキや蒸しパンの生地に梅干しを混ぜて焼くと、味がしまるし、きれいな色が楽しめます」
続けてレシピを紹介していきます。お楽しみに。
山脇りこ(やまわき・りこ)●料理家。東京で料理教室「リコズキッチン」主宰。著書に『いとしの自家製』(ぴあ)、『明日から、料理上手』(小学館)ほか多数。
『クロワッサン』976号より
広告