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“朝”と“夕方”のしごとでめりはりのある時間使い【朝編】

自分らしく整った生き方をしている人たちは日々、どんな暮らし方をしているのか。雨宮ゆかさんの日常をのぞいた。

撮影・雨宮秀也 文・後藤真子

掃除はざっくりした枠の中で、その日できることを。

床は、床板の羽目に沿って水拭きする。
床は、床板の羽目に沿って水拭きする。

夕食の下ごしらえをゆかさんがしている間に、秀也さんが家の掃除を始め、手があいたらゆかさんも。毎朝決まって行うのは、床の掃除機がけ、洗面所とトイレの床拭き、階段や梁のはたきがけ。はたきはもともとゆかさんの好きな掃除道具で、特にこの家は梁などの構造材がむき出しのため、埃や蜘蛛の巣を防ぐ意味でも、毎日かけている。

さらにプラスアルファとして、窓拭き、床の水拭き、玄関の土間の掃除などから、気になった箇所を行う。トータルで掃除にかける時間は30分〜1時間ほど。これにもはっきりとしたルールはなく、「だいたい朝9時頃には仕事机に向かえるように」というざっくりした枠の中で、その日できることをする。

花を飾ることを毎日の習慣に。

室内の数カ所に飾っている切り花は、毎朝まとめてシンクで水揚げし、いたんだ花は取り除いて生け直す。
室内の数カ所に飾っている切り花は、毎朝まとめてシンクで水揚げし、いたんだ花は取り除いて生け直す。

そして毎朝、必ずゆかさんが行っているのが、家じゅうに飾っている花の水を取り替え、生け直すこと。
「最低でも3カ所、真夏以外は4〜5カ所は飾っています」(ゆかさん)
食器棚の中、洗面所、小さな家具の上などに、野山の四季を思わせる草花が、小ぶりの器に飾られている。それらをシンクに集め、洗面器の水につけて水揚げし、必要があれば庭に咲く草花や、教室で使い残した花を足すなどして再び生け、飾り直す。花器に限らず、日用の器を使うことも少なくないという。

ゆかさんのように、花を飾ることを毎日の習慣にできればすてきだ。特別な花でなくてもいい。庭先の木の一枝、プランターで育てた花、フラワーショップで買った一輪でも、まずは小さな器に飾ってみて、毎朝水を取り替える。そういうことから、始めてみたいという気にさせられる。

洗濯物を干して、朝のしごとは完了。

洗濯物は日当たりのいい室内に干し、サーキュレーターで風をあてる。
洗濯物は日当たりのいい室内に干し、サーキュレーターで風をあてる。

日当たりのいい、ロフトのような2階の一部に洗濯物を干し、サーキュレーターで風をあてたら、朝のしごとはほぼ完了。
「洗濯物は、完全に内干しです。壁の仕上げ材がゼオライトという多孔質の素材で、調湿や消臭機能があるせいか、内干しのにおいは気になりません」と、秀也さん。
「はじめは外に干そうかとも思ったのですが、やってみたら内干しで充分だったので」とゆかさん。

思いこみや決めつけで凝り固まらずに、環境や状況に応じてまずやってみる。その柔軟性が、二人の暮らしを快適にしている。

>> 【夕方編】はこちら

雨宮ゆか●挿花家、生活に季節を取りこむ花の教室「日々花」を主宰。花に関する執筆やスタイリングも手がけ、各媒体で活躍。近著に『花ごよみ365日 季節を呼びこむ身近な草花の生け方、愉しみ方』(誠文堂新光社)。

『クロワッサン』958号より

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