中東の宝石ドバイへの旅(2)
取材/文・斎藤理子
ところどころにある高い塔のような建物は、ウインドタワー(風の塔)。塔の四方にある穴から風を取り込み階下の部屋を涼しくするという、クーラーがない時代の灼熱のアラブならではの知恵です。1000年以上前から中東に存在したという伝統建築ですが、ドバイでは今ではアル・ファヒーディ歴史地区にしか残っていないそう。でも、電力など一切使わずに快適に過ごすことができる、エコで環境に優しいこのシステムが、最近また注目され始めているそうです。
古い建物の内部はリノベーションされ、お洒落なアートギャラリーやカフェ、プチホテルなどとして利用されています。1時間くらいで回れるサイズですが、やはり暑さはかなりのものなので、カフェでひと休みできるのは嬉しいかぎり。なかでもギャラリーとホテルに併設された「XVAギャラリー・カフェ」は洗練されていておすすめです。
ここにある「シェイク・モハメド文化センター」では、観光客向けに、アル・ファヒーディ歴史地区のウォーキングツァーやイスラム文化やドバイの歴史を学べる講座、アラビア文字のカリグラフィー(書道)講座など、さまざまなプログラムを開催。超近代化が進むドバイで伝統的アラブを体験できる貴重な場所になっています。金曜日はイスラムの休日で休みのところが多いので、行くなら金曜日以外にぜひ。
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