京都流の和・洋の暮らしを彩るショップ巡り
撮影・小出和弘 文・高橋マキ
[ミナ ペルホネン]アンティークビルに漂う、空気感ごと満喫。
デザイナー・皆川明さんの手によるオリジナルの図案から生まれるテキスタイルと、そのテキスタイルを使った服。「ずっと大切に着ていきたい、そんなふうに思わせる素敵な服がそろっています」(伊藤まさこさん・スタイリスト)。家具や器などの生活デザインも手がけているので、暮らしを彩るアイテムも揃う。京都店は、四条河原町からすぐの昭和初期に建てられたアンティークビルに2007年にオープン。クローバー形の覗き窓がついた木の扉を開けると、目の前に伸びやかに、ミナの世界が広がる。「心地よさを追求したフィッティングルーム、ハンガーラックやドア、床材、照明……店のすべてに皆川さんの細やかなこだわりが感じられます」(伊藤さん)3階、4階にも、それぞれ異なるコンセプトの部屋。ミナ ペルホネンのペルホネンとは、フィンランド語で「蝶」の意。蝶々のようにビルの中を行ったり来たり。ゆっくり時間のあるときに訪れたい。
京都市下京区河原町通四条下ル市之町251・2 寿ビルデイング1・3・4階 ☎︎075・353・8990 12時~20時(1F)、12時~19時(3・4F) 無休(1F)、木曜(3・4F) http://www.mina-perhonen.jp
[ギャラリー啓]手仕事が生んだ古の自然布にうっとり。
籐、大麻、苧麻(ちょま)、シナなどの「自然布」と呼ばれる草木の繊維でできた古布を中心に、人間の生活の中から生まれた古民具や焼き物を扱う。店内には、店主・川﨑啓さんの審美眼で集められた、時代を経てなお美しさと新しさを感じさせる古布がたくさん。「布を見ていると、その布に隠された物語を見ているような気になっているという啓さん。ここは、そんな物語を持った布でいっぱいです」(伊藤さん)。そんな古布を使って作った着物や帯も貴重。5月20日〜24日は『麻〜江戸を中心とした大麻布・苧麻布展』を開催(11時〜18時)。木綿以前に、日本の暮らしを支えた、古の自然布を飾ったり愛でたり。現代の生活にも取り入れてみたい。
ぎゃらりーけい●京都市中京区寺町通夷川上ル久遠院前町671・1 ☎︎075・212・7114 11時30分~18時(日・祝は12時~) 無休 http://gallerykei.jp
[山田松香木店]日本伝統の豊かな香りを暮らしの中に。
江戸中期より、200年以上、御所近くで天然香料を使った香製品を扱う老舗。のれんをくぐれば、店内は雅な香りでいっぱい。もともとは、薬代わりに使用されていたお香。「香りの原料は東洋では香木や粉末に、西洋ではアロマオイルとして、人々を癒やす手助けをしてきたんです」(羽田美智子さん)室内香や印香などのお香とともに、人気が高いのは匂袋。ちりめんや金襴といった和の生地を使いながら、遊び心に満ちた形、モダンなデザインと様々にそろう。「京都を訪れた記念に、匂袋はおすすめです」(羽田さん)
『クロワッサン』947号より
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