家計を黒字体質にする方法vol.1
1年分の予算の決め方。
予算を立てて毎月の収支をチェック。会計士の林總さんが提案する家計管理術は、最初のシステムづくりが肝心です。まずは1年分の予算を決めるためのステップをお教えします。4月1日をスタート日と設定して、まずは2016年度予算を決めてみてはいかがでしょう?

家計を黒字体質へ! まずは予算決めから
「家計管理をする目的は、家族が末永く幸せに生きていくこと」と会計士の林總さん。価値あるものにお金を惜しみなく使うため、家計全体を俯瞰して削れるところは削る。その大前提を心に留めて、実践編に取り組んでみよう。
管理会計の専門家である林さんの考え方は、会社経営の会計システムを家庭にも当てはめるというもの。目に見えない〝家計の姿〟を数字で「見える化」すれば、実態を掴むことができる。

自分が満足できるものにお金を使う」が林さんのポリシー。節約のストレスにさよならしよう。
1年分の予算を決めるため、
昨年の実績をもとに予算表を作る。

林さんが教える、予算を立てるために必要な5STEP。
次に、「収支実績表」に、昨年の収支を記入する。これは、1年分の予算を立てるにあたり、過去の実績として参考にするためのもの。この表を作らないと予算が現実離れしたものになり、形骸化してしまう。昨年の支出額が見当もつかない、という人は1カ月分の支出を記録して12倍にしてもいい。1年分の支出を書き出すと、毎月の出費ではないもの(固定資産税、自動車税、祝儀、帰省・旅行費など)が意外と多いことに気づく。これらは、「特別支出」として予算に組み込む。

「収支予算表」収入欄には、手取りの給与とボーナス、児童手当などの給与以外の収入も記入する。
収支実績表が完成したら、いよいよ予算を立てるべく、「収支予算表」に収入予算と支出予算を記入する。強制預金額は、初めに計算した生涯の収支をもとに決めたいところだが、ひとまずは確実に預金できそうな額に設定する。この表は試しに書いてみるものなので、一度で表を完成させようとせず、昨年の収支実績表を参考にしながら現状に近い金額を記入する。「管理不能支出」には、教育費、光熱費、保険料など、毎月ある程度固定されている費目を。「管理可能支出」の費目は、自分の生活に合った割り振りを考えて多くても5つ程度に絞る。
◎林 總さん 認会計士、税理士/経営コンサルティングの他、大学院教員も務める。著書『正しい家計管理』『老後のお金』(共にWAVE出版)、『貯まる生活』(文藝春秋)。
『クロワッサン』918号(2016年2月10日号)より
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