腸・肌・冷え性に効く!
酒粕を毎日の料理に使うコツ。
古来より伝わる栄養食品、酒粕に注目が集まっています。でも、どうやって使えばいいのかよくわからない……そこで、和洋中、さまざまな料理にアレンジ自在の「ゆる粕」をご紹介します。
料理家の栗山真由美さんが酒粕に惹かれたのは、その美味しさから。
「コクを出し、食材の風味や旨味を引き出す万能な調味料です。世界の様々な発酵食材に触れてきましたが、酒粕の可能性は無限大。さらにその栄養価の高さを知って、日々の料理に酒粕を活かせないかと考えました」
そこで生まれたのが、水で溶いてペースト状にした〝ゆる粕〟。ペースト状にすることで、ブームとなった塩麹のように、肉や魚を漬けたり、炒め物やスープに加えるなど、調味料として格段に使いやすくなります。
基本の“ゆる粕”は水で溶くだけででき上がり。
材料(作りやすい分量:約1カップ分)
酒粕 100g、水 120〜150ml
1.酒粕を適当な大きさにちぎってボウルに入れる。
2.水を加えて常温のまま15〜30分置いてふやかす。
3.2を泡立器などでつぶしながらダマをなくし、なめらかになるまで混ぜる。
まずは“ゆる粕ちょい足し”で取り入れてみよう。
発酵や熟成をさせる必要がなく、作ったらすぐに使えるのもいいところ。
「酒粕には、板粕やバラ粕、練り粕など、形状や水分量が違ういろいろな種類がありますが、要は水を加えて溶かせばいいだけ。難しく考える必要はありません。毎日の料理に気軽に取り入れてください」と栗山さん。
たとえば、いつものみそ汁に小さじ1くらいを加える。調理中の鍋に加える場合は、1人分大さじ1くらいを目安に。
また、きゅうりの和え物にも。きゅうり1本はヘタを取り、薄い輪切りにし、塩少々をまぶした後、水気を絞る。しば漬け(30g)は食べやすく切り、きゅうりと和えて器に盛る。ゆる粕小さじ1~2を加えて和える。
◎栗山真由美さん 料理家/近著にポルトガルの発酵食品マッサを取り上げた『マッサ パプリカでつくる美味しい調味料』(池田書店)が。
『クロワッサン』904号(2015年7月10日売)より