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夏の涼感を感じさせる風知草──松田美智子の「くらしの歳時記」

古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「風知草(ふうちそう)」。

撮影・鍋島徳恭

目にも涼やかな風知草

夏の涼感を感じさせる風知草──松田美智子の「くらしの歳時記」

夏の涼感を感じさせる風知草をアレンジします

夏が尋常ではない暑さになってきています。冷房などの直接の対策も重要ですが、ちょっとした植物のあしらいで目からも清涼感が得られます。早く起きた朝は、窓を開けて外の空気を入れてから、コーヒーを片手に新聞を読むのが日課ですが、この風知草(ふうちそう)のアレンジが部屋にあると「さぁ今日も頑張りましょう!」と爽やかな気持ちになれるのです。

アレンジに使用する器は、普段あまり使わない錫のシャンパンクーラー。切り花感覚で植えます。水やりをこまめにすれば、夏の間さわやかな緑を保てます。今年は風知草にななかまどを合わせてみました。夏以降は草木として地植えにしたほうがいい植物なので、お庭のある方に引き取っていただけそうか、打診をして行き先を見つけるようにしています。こうしたご縁も昨今は大切に感じられます。1年後、風知草の成長を楽しみに友人宅を訪ねます。暮らしのアイディア、ぜひ試してみてください。

夏の涼感を感じさせる風知草──松田美智子の「くらしの歳時記」

保水力のある土と水はけがポイント

用意するのは、風知草の苗2ポット、ななかまどの苗1ポット、水はけのいい盆栽用の土、培養土(共に山野草用)、水草。植え替える容器の1/3まで盆栽用の土を入れる。ななかまどをポットから抜き、土を落として根を確かめ、器の真ん中に仮置きする。風知草は土を落とし、根にハサミを入れて長さを半分に切る。ななかまどを囲むように仮置きして、培養土で間を埋め、軽く押さえて安定させる。水を3回ぐらいに分けて少しずつ入れる。指で土を触って水分が入りすぎていないか確かめながら入れること。表面を濡らした水草で覆う。写真のように、好みの山野草を蕎麦ちょこに同じ要領で植えても素敵です。

  • 松田美智子

    松田美智子 さん (まつだ・みちこ)

    料理研究家

    近著『家庭料理は郷土料理から始まります。』(平凡社)ほか著書多数。調理道具「JIZAI」をプロデュース。m-cooking.com

『クロワッサン』1145号より

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