片づけの最難関が整う、4つの仕組み
撮影・青木和義 イラストレーション・大石さちよ 構成&文・堀越和幸
イラストレーターの大石さちよさんは、夫と小学4年生の娘の3人で1LDKのマンションに暮らしている。リビングの中央には大石さんの作業スペースの島があり、それを挟んで大石さんと娘の机がある。壁や棚には好きな絵やアート作品、動物モチーフの人形などが所狭しと飾られていて賑やかな住まいだ(下写真)。
「楽しく暮らしていますが、収納が少ないのが最大の悩み。特に台所はカオス状態。本当は鍋やフライパンを表に出しておきたくないんだけれど、しまうところがない」
という大石さんは、実はカボチャを切るのがとても怖いのだそう。
「ご覧のとおり(下写真)まな板をちゃんと置くスペースがないので、台所の角やヘリにのせて使ったりしていて、不安定この上なく……」
使っているものをしまうところがないのだとすれば、本来の収納スペースにはいったい何が入っているのか? 今回、大石さんの台所を実際に片づけてくれる、整理収納コンサルタントの須藤昌子さんは、台所収納の扉や引き出しを次々に開けて中身の点検をしていく。
「当たり前の話に聞こえてしまいそうですが、物は収納に入る量を持つ、というのが片づけの大鉄則です。そのためには何を使っているかをいま一度あらためてみる必要があります」
と須藤さん。例えばコンロ下の扉の裏側に控えていたのは……重ねた大鍋やパン焼き器やバットなどなど。これらはいつか使うと思っているが、現実は、もう長らく使っていない。
「今回の片づけは〝持っているけど使わないからの脱却〟と位置づけて、4つの片づく仕組みを提案したいと思います」
物は使われるために生まれてきたと、須藤さん。その言葉を受けて、大石さんは腰を上げたのだった。
4つの片づく仕組み
1.使うか使わないかを決める。
2.使うものの居場所を作る。
3.見渡せるよう使うものを整理する。
4.使うものの収納には空きを作る。
収納はしていたけれど“使っていないもの”を仕分けたら、鍋、食器類がこんなにあった。これらを処分すれば、しまうスペースが。
『クロワッサン』1138号より
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