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見方がわかるとありがたみ倍増。何度でも会いたい京の美仏たち

お寺で何となく拝観している仏像は、ちょっとの知識があれば世界が変わります。京で必ず拝みたい仏像と共にその極意を教えましょう。

イラストレーション・田中ひろみ 構成&文・堀越和幸 写真・アフロ

仏像は興味がない人にはきっとみんな同じに見えることでしょう、と語るのは仏像イラストレーターの田中ひろみさんだ。でもーー。

「ちょっとした基本の知識があると俄然見え方が変わってくるんですよ。仏像は手作りなので、時代によって、場所によって、作った人によって一体一体がまるで違います。そしてそれがわかってくると、すごく面白くなる」

仏像拝観を続けて30年超、今では全国の有名どころをほぼ網羅しているという田中さんに教わる、仏像を読み解くための基本のキ。

「代表的な種類や持っている物の意味がわかると親しみが湧くし、ありがたみも倍増します。私が好きな京都の仏像を例に、今からご案内しましょう!」

大まかに分けると仏像は4つの種類に。

まず最初に、仏像には種類があるということを知っていただろうか? 田中さんによれば、大きく分けて4つのグループに分類される。

「如来(にょらい)、菩薩(ぼさつ)、明王(みょうよう)、天(てん)の4種類で、この順番で地位が上とされています」(下イラストと下の図)

では、それぞれの仏像にはどんな意味や特徴があるのか?

「如来とは悟りを開いた者でお釈迦様などが代表的です。シンプルな衣装を纏い、肉髻(にっけい)と呼ばれる頭の大きなコブは智慧を表しています。菩薩は修行中の仏。インド貴族のような宝冠や艶やかな衣装が特徴的です」

明王はたいがい怒った怖い顔をしているが、これは言うことを聞かない人を仏教に導くため、そして天とはインドの神様が仏教に帰依をした仏の姿で、明らかに女性とわかるものや、顔などの一部が動物である姿のものも多い。

「これらの大きな分類を知ってから、それぞれの細部を見ていきましょう。すると仏像の個性がにわかに際立ち、一体一体に奥深い魅力があることがわかってきます」

如来、菩薩、明王、天、の順でランクがある。これら以外にも、お釈迦様の高弟の羅漢や弘法大師などの高僧、あるいは仏教を広めた聖徳太子の像なども仏像に含まれる。
如来、菩薩、明王、天、の順でランクがある。これら以外にも、お釈迦様の高弟の羅漢や弘法大師などの高僧、あるいは仏教を広めた聖徳太子の像なども仏像に含まれる。

如来

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パンチパーマのようにも見える頭は螺髪(らほつ)と呼ばれ、長い髪が巻き貝のように巻かれたもの。釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来、大日(だいにち)如来などが代表的な如来像だ。

菩薩

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上半身は天衣に宝冠やネックレスと菩薩のいでたちは華やか。貴族だった出家前のお釈迦様がモデルとされる。観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒(みろく)菩薩などがポピュラー。

明王

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密教で考え出された仏の姿で、目の吊り上がった怖い顔、逆立った髪、手には武器などを持っているのが特徴だ。不動明王、愛染(あいぜん)明王などが代表的な明王。

見方がわかるとありがたみ倍増。何度でも会いたい京の美仏たち

バラモン教やヒンズー教など、インドの神様が帰依をした仏教の守護神。女人、武将、さまざまな姿で表される。帝釈天(たいしゃくてん)や梵天(ぼんてん)、吉祥天や弁財天、四天王が有名。

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