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京都の地元客に愛されるアラカルト主体の割烹

長年、京都の食を取材してきたライター・中井シノブさんが、この街らしさが味わえる割烹を選りすぐって紹介。

撮影・東谷幸一 文・齋藤優子

味よし、人よし、空間よし、一度は食べたい京料理の名店

京の春の味覚といえば、琵琶湖の本もろこに桜鯛、山菜、筍……。いずれも近くに産地があり、新鮮なものが手に入るのが利点。

今回紹介したお店は、「店主が京都の名だたる店で経験を積んだ人ばかりなので、仕入れ先や目利きが確か。いい食材を崩しすぎず、真っ当な春の皿に仕立ててくれます」。

好きなものを自由に頼める割烹は「地元客も多く、この街らしい雰囲気が。一方、旬の食材を店主がもっとも得意とする形で繰り出すおまかせの店は京料理のいまが、より感じられるはず。どこも風情が感じられるエリアにあるので、道すがらも楽しんでください」。

祇園・宮川町|割烹まつおか

煮るも焼くも客の好みで、“昔ながら”を貫く割烹

若竹煮1,980円。筍は、長岡京産か塚原産。ダシは鰹節と利尻昆布で引いて、すっきりとした味わいに。
若竹煮1,980円。筍は、長岡京産か塚原産。ダシは鰹節と利尻昆布で引いて、すっきりとした味わいに。

「料理の技術だけでなく、旦那衆のどんなわがままにも応えられる力量がある。いまは少なくなってしまった、そんな京都らしい割烹の醍醐味が味わえる店です」(中井さん)

本もろこの炭火焼き1,980円。
本もろこの炭火焼き1,980円。

店主の松岡英雄さんは、昔ながらの割烹様式を貫く『やました』で、“その時入った食材を客の好みのままに”という客本位の仕事を覚え、店を構えた。

お造り4,000〜4,500円。明石の鯛、よこわなど5種盛り。
お造り4,000〜4,500円。明石の鯛、よこわなど5種盛り。

3月の声を聞くと子持ちになる本もろこは、鮮度が命と、朝、琵琶湖で獲れたものだけを、客前に炭台を置いて焼く。筍料理は、京都府産が手に入る時だけ。

山菜のてんぷら1,320円。白魚のかき揚げと。
山菜のてんぷら1,320円。白魚のかき揚げと。

13年目を迎えた店主は、関西人が好きなよこわの刺身を、常連客が作ってくれた大皿に盛りながら「これまでも、そしていまもお客さまに育ててもらっています」と。

本もろこは最後に立てて硬い頭の部分を焼く。
本もろこは最後に立てて硬い頭の部分を焼く。
京都の地元客に愛されるアラカルト主体の割烹

京都市東山区弓矢町25
TEL.075・531・0233
営業時間:17時〜24時 水曜、第2・3木曜休
アラカルトのほか、1万5180円〜のコースも。メニューには価格も明記してある。

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