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今子どもたちに人気なのは?大人も読みたい児童書ガイド

今を生きる子どもたちの心を捉える本とはどんなもの?丸善ジュンク堂書店 児童書統括チーフの兼森理恵さんに聞いた。

撮影・木寺紀雄 構成&文・梅原加奈

子どもたちの気持ちを知る

石川宏千花 作『ヤングタイマーズのお悩み相談室』(くもん出版 1,650円)
石川宏千花 作『ヤングタイマーズのお悩み相談室』(くもん出版 1,650円)

中学生たちが抱える悩みに個性豊かなパーソナリティーが答える、読むラジオ。「大人たちの回答のゆるさがちょうどいい。今の子どもたちの悩みに触れてみてください」

堀川理万子 作・絵『ひみつだけど、話します』(あかね書房 1,320円)
堀川理万子 作・絵『ひみつだけど、話します』(あかね書房 1,320円)

絵本作家で画家の堀川理万子さんが作・絵を手掛ける。小学校3年生、それぞれの秘密。「世界が広がりはじめる年齢の悩みや考えを、丁寧かつリアルに描いています」

どんなふうに生きるかを考える

末次健司 文・写真『「植物」をやめた植物たち』(福音館書店 1,430円)
末次健司 文・写真『「植物」をやめた植物たち』(福音館書店 1,430円)

植物=光合成をするイメージだが、それをやめた植物について紹介する一冊。「あるべき姿や常識を手放し、潔く捨てると新しい道が拓ける。こんな生き方もアリとなれるはず」

鈴木のりたけ 著『しごとへの道1 パン職人 新幹線運転士 研究者』(ブロンズ新社 1,430円)
鈴木のりたけ 著『しごとへの道1 パン職人 新幹線運転士 研究者』(ブロンズ新社 1,430円)

人気絵本『しごとば』の著者の作品。パン職人、研究者などがその職業に辿り着くまでをコミック仕立てで描く。「みんな迷いながら居場所をみつけるのだなと心が震えます」

今を生きるファンタジー

石井睦美 文 杉本さなえ 絵『カフェ・スノードーム』(アリス館 1,650円)
石井睦美 文 杉本さなえ 絵『カフェ・スノードーム』(アリス館 1,650円)

どこにあるかはわからない「カフェ・スノードーム」に悩める人たちが迷い込む。「美しい装丁も相まって、読めばあたたかいひとときが過ごせる日常と地続きのファンタジー」

小森香折 作 さとうゆうすけ 画『ハルカの世界』(BL出版 1,870円)
小森香折 作 さとうゆうすけ 画『ハルカの世界』(BL出版 1,870円)

中学1年の遥は絵に描いた夢の世界へ入り込み奇妙な体験をする。「主人公の少女は、何者でもない自分に悩む今どきの女の子。彼女の成長の物語に胸が高鳴ります」

新装版&新訳で名作を味わう

ルーシー・モード・モンゴメリ 著 村岡花子 訳『赤毛のアン』(講談社 2,090円)
ルーシー・モード・モンゴメリ 著 村岡花子 訳『赤毛のアン』(講談社 2,090円)

邦訳70周年の2022年に改訂された新装版。「『赤毛のアン』はさまざまな訳書がありますが、村岡花子訳の美しい新装版をぜひ一家に一冊どうぞ。言葉を今一度噛み締めてほしいです」

富安陽子 文 山村浩二 絵 三浦佑之 監修『絵物語古事記』(偕成社 1,760円)
富安陽子 文 山村浩二 絵 三浦佑之 監修『絵物語古事記』(偕成社 1,760円)

『古事記』上巻の神話を、富安陽子さんが生き生きと現代訳。楽しい挿絵は山村浩二さんによる。「日本最古の物語ですが読んだことがない人も多いはず。人間くさい神様に親近感」

  • 兼森理恵 さん

    丸善ジュンク堂書店 児童書統括チーフ

    丸善丸の内本店に在籍。全店の児童書ジャンルアドバイザー統括チーフを務める傍ら、児童書レーベル「らいおんbooks」で本の制作にも携わる。

『クロワッサン』1136号より

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