今子どもたちに人気なのは?大人も読みたい児童書ガイド
撮影・木寺紀雄 構成&文・梅原加奈
子どもたちの気持ちを知る
中学生たちが抱える悩みに個性豊かなパーソナリティーが答える、読むラジオ。「大人たちの回答のゆるさがちょうどいい。今の子どもたちの悩みに触れてみてください」
絵本作家で画家の堀川理万子さんが作・絵を手掛ける。小学校3年生、それぞれの秘密。「世界が広がりはじめる年齢の悩みや考えを、丁寧かつリアルに描いています」
どんなふうに生きるかを考える
植物=光合成をするイメージだが、それをやめた植物について紹介する一冊。「あるべき姿や常識を手放し、潔く捨てると新しい道が拓ける。こんな生き方もアリとなれるはず」
人気絵本『しごとば』の著者の作品。パン職人、研究者などがその職業に辿り着くまでをコミック仕立てで描く。「みんな迷いながら居場所をみつけるのだなと心が震えます」
今を生きるファンタジー
どこにあるかはわからない「カフェ・スノードーム」に悩める人たちが迷い込む。「美しい装丁も相まって、読めばあたたかいひとときが過ごせる日常と地続きのファンタジー」
中学1年の遥は絵に描いた夢の世界へ入り込み奇妙な体験をする。「主人公の少女は、何者でもない自分に悩む今どきの女の子。彼女の成長の物語に胸が高鳴ります」
新装版&新訳で名作を味わう
邦訳70周年の2022年に改訂された新装版。「『赤毛のアン』はさまざまな訳書がありますが、村岡花子訳の美しい新装版をぜひ一家に一冊どうぞ。言葉を今一度噛み締めてほしいです」
『古事記』上巻の神話を、富安陽子さんが生き生きと現代訳。楽しい挿絵は山村浩二さんによる。「日本最古の物語ですが読んだことがない人も多いはず。人間くさい神様に親近感」
『クロワッサン』1136号より
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