はじめての介護:どんな状況でも介護される人のペースに合わせて動作をフォロー
被介護者の動作を補助する際、実はお互いが楽になるコツがあるんです。自分も相手も安心で疲れにくい基本の補助動作をマスターしましょう。理学療法士に、理にかなった体の使い方を聞きました。
撮影・中島慶子 構成&文・板倉みきこ
介助の補助動作の基本を教えてくれたのは、要介護者のリハビリテーションを専門に行っている、理学療法士の和田まゆさん。
「大切なのは、介護される人のペースに合わせること。介助者に時間がなかったり、転倒しないか不安だと、必要以上にサポートしがちですが、実はそれはお互いにとってマイナスです」
力任せの動作は、介助者の体に必要以上に負担をかけ、被介護者も安心して身を任せられない。また、過剰な補助動作は、被介護者が本来使える身体機能を衰えさせてしまうこともある。
「相手のペースに合わせたほうがスムーズで、お互いの負担は軽減します。被介護者に協力してもらうことも大事です。そのためには、これからどんな動きを行うのか声がけを忘れずに。呼吸を合わせて行えば補助に使う力が軽減し、今以上に相手の筋力を衰えさせないトレーニングにもなりますよ」
そこで、立つ、座るなど状況別の補助動作の基本を教えてもらうことに。
「被介護者の身体機能の違いで変わる部分はありますが、押さえるべきポイントは同じです。お互いにとって楽で安心できる方法を見つけてください」
立つ
椅子から立ち上がる際は、お尻の重心移動を意識。
「太ももに力を入れて立つよ」と、立つ意識を促す。
被介護者は両手を膝の上に置き、前かがみになり、体を小さくまとめる。
介助者は足を広げて重心を低くし、被介護者の両脇を持つ。
被介護者のお尻にある重心を、斜め前に移動するようサポート。
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