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目から鱗!食いしん坊が注目するレストラン「JULIA」で見つけたフルーツの楽しみかた

苺、水晶文旦、デコポン、林檎、温州みかん、レモン……。ニューヨークのマンハッタンにあるミシュラン1つ星レストラン「GRAMERCY TAVERN(グラマシータバーン)」で修業したnaoさんと、その夫で日本ワインに精通するソムリエの本橋健一郎さんが営む東京・外苑前の『JULIA(ジュリア)』は、様々なフルーツと思いがけない食材の組み合わせを通して、日本の食の豊かさに目覚めさせてくれる隠れ家的なレストラン。実際に体験してわかったその喜びをレポートします。

文 甘利美緒

思わず心がときめく一軒家レストラン。

東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩5分の住宅街にある一軒家レストラン『JULIA』。外苑西通りから引っ込んだ細い路地に佇む建物は古い倉庫をリノベーションしたもので、隠れ家的な雰囲気を漂わせています。

店の存在を告げるのは控えめに掲げられた店名のみ。建物の右側を奥に進むと左手に入り口が現れます。
店の存在を告げるのは控えめに掲げられた店名のみ。建物の右側を奥に進むと左手に入り口が現れます。

フロアを移動して楽しむドラマチックな展開。

1階のラウンジ。建築士の資格を持つオーナーソムリエの本橋健一郎さんのセンスが光ります。
1階のラウンジ。建築士の資格を持つオーナーソムリエの本橋健一郎さんのセンスが光ります。

インターホンを押してドアを開け店内に足を踏み入れると、アートやヴィンテージの家具が配された落ち着いた雰囲気のラウンジが広がり、物腰柔らかなスタッフが出迎えてくれます。聞けば、2023年11月にこの地に移転してから2階建の店舗となり、1階をラウンジ、2階をダイニングとして利用することにしたそう。

ゲストはまず1階で食前酒とアミューズを楽しみ、それから上の階で料理とワインのペアリングをいただきます。この日は鰹に発酵した紅芯大根、鴨に南瓜にシナモン、鯵にキュウリを組み合わせたフィンガーフードが出てきて、序盤から手仕事の多さに心を動かされました。

顔が見える食材で創られる“ここだけ”の料理。

ペアリングの一例。島根県・奥出雲ワインの「カベルネソーヴィニヨン ロゼ」と、北海道産のフロマージュブランのババロアに薔薇と苺、トマトのエキス、茨城県高萩市柴田農園さんのオーガニックの薔薇の花、沖縄県産の塩。
ペアリングの一例。島根県・奥出雲ワインの「カベルネソーヴィニヨン ロゼ」と、北海道産のフロマージュブランのババロアに薔薇と苺、トマトのエキス、茨城県高萩市柴田農園さんのオーガニックの薔薇の花、沖縄県産の塩。

ディナーのメニューは完全予約制。かつて店を構えていた茨城県の食材を中心に、シェフのnaoさんとオーナーソムリエの本橋さんの夫婦が全国各地を旅して出合った旬の食材を使った料理と、日本ワインのペアリングコースが味わえます。

特徴的なのが、ワインありきで料理が組み立てられること。まず、ソムリエの本橋さんが季節や旬の食材に合わせてワインを選び、その後にシェフのnaoさんが、味わいや余韻、口の中に広がる印象などワインから得たインスピレーションをもとに料理を考案。そして、ふたりでアイデアを出し合い月々のメニューを構成するそう。

山梨県産の白ワイン「ルバイヤート シャルドネ」には、白子の炭火焼き カリフラワーのフラン 水晶文旦の果肉に白ワインのソース。
山梨県産の白ワイン「ルバイヤート シャルドネ」には、白子の炭火焼き カリフラワーのフラン 水晶文旦の果肉に白ワインのソース。
長野県・はすみファームの赤ワイン「千曲川ワインバレー ピノ・ノワール」と、金時人参のピュレとソテーにデコポンを合わせたひと皿。
長野県・はすみファームの赤ワイン「千曲川ワインバレー ピノ・ノワール」と、金時人参のピュレとソテーにデコポンを合わせたひと皿。
大分県・久住ワイナリーのアロマティックな白ワイン「ションベルガー」には、太刀魚の炭火焼き。りんごのエキスとディルの香りをうつしたハーブオイルと白ワインのソースでいただく。
大分県・久住ワイナリーのアロマティックな白ワイン「ションベルガー」には、太刀魚の炭火焼き。りんごのエキスとディルの香りをうつしたハーブオイルと白ワインのソースでいただく。
岡山県・ドメーヌテッタのオレンジワインには、蕪のピュレと春菊のソースでいただくクエの蒸し料理。
岡山県・ドメーヌテッタのオレンジワインには、蕪のピュレと春菊のソースでいただくクエの蒸し料理。
糖度30度を超すケルナー種のブドウでつくられた北海道産の甘口ワイン「はつゆき ケルナー」には、北海道産の苺をタイムとブラックペッパーでソテーしたデザート。
糖度30度を超すケルナー種のブドウでつくられた北海道産の甘口ワイン「はつゆき ケルナー」には、北海道産の苺をタイムとブラックペッパーでソテーしたデザート。

ユニークなのは、それぞれの料理に色々なフルーツが使われていて、酸味と甘みを楽しめること。赤貝と苺と梅を組み合わせた前菜をいただいた時は、その自由な発想に高揚感を覚えました。

また、本橋さんがセレクトするワインも「こんなワインが日本にあったんだ!」と驚きに満ちたものばかり。アルコールのみならずノンアルコールのペアリングも充実していて、独創的なモクテルも次々と振る舞われます。

フレンチやイタリアンなどジャンルに規定されない、シェフだからこそのイノベーティブな料理を体験できる店。ぜひチェックしてみてください。

左がシェフのnaoさん、右がオーナーソムリエの本橋健一郎さん。
左がシェフのnaoさん、右がオーナーソムリエの本橋健一郎さん。

ちなみに、店名である「JULIA」は、ソムリエ・本橋さんの母親のあだ名。生前、町工場で働きながら出稼ぎに来ている外国人がおにぎりしか食べていないことに気づいたお母さんが、いくつもお弁当をつくっていくようになり、そのうち「ジュリアさん」と呼ばれるようになったことに由来。母のような愛あるレストランにしたいという思いが込められているそうです。実際、食事中は付かず離れずの距離感で温かく接していただき、最後まで気持ちよく過ごすことができました。

黒を基調とした空間に料理が映える、2階のダイニング。どのテーブルからも調理のライブ感を味わえます。
黒を基調とした空間に料理が映える、2階のダイニング。どのテーブルからも調理のライブ感を味わえます。

JULIA(ジュリア)
住所:東京都渋谷区神宮前3-1-25
TEL:03-5843-1982
営業時間:ランチ11時50分ドアオープン、12時スタート / ディナー18時50分ドアオープン、19時スタート
定休日:火曜、不定休

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