細野晴臣への深い愛に満ちたカナダ人歌手の名カバー【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】
マック・デマルコ「僕は一寸」
細野晴臣への深い愛に満ちたカナダ人歌手の名カバー。
2023年に発売50周年を迎えた細野晴臣のソロデビューアルバム『HOSONO HOUSE』。これを記念して、アルバムの収録曲をさまざまなアーティストがカバーした『HOSONO HOUSE COVERS』がリリースされました。
『HOSONO HOUSE COVERS』に名を連ねる顔ぶれは、矢野顕子、コーネリアス、テイ・トウワ、原田郁子、安部勇磨ら国内を拠点に活動するアーティストが中心ですが、そんななか目を引くのがアメリカ、カナダ、韓国、フランスなどの海外勢。近年の欧米やアジアにおける細野の人気ぶりを思えば納得のキャスティングでしょう。
「僕は一寸」のカバーで参加しているカナダ出身のシンガーソングライター、マック・デマルコは早くから細野へのリスペクトを表明していたひとりです。彼は2018年の時点ですでに細野の「Honey Moon」をカバー。その後、2019年には細野がロサンゼルスで開催したコンサートにゲスト出演しました。
「僕が19歳から音楽をつくり続けている大きな理由が細野なんだ。彼は多作で、しかもいろいろなタイプの曲をつくっている。聴いても聴いても新しいものが出てくるんだよ」
以前の「Honey Moon」と同様、今回も引き続き日本語でのカバーに取り組んだマック。朴訥とした歌からそこはかとなく漂うものさびしさに、彼の細野の音楽に対する深い理解と愛着を見る思いがします。
『クロワッサン』1133号より
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