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「日本の行事室礼記研究家」広田千悦子さんが手みやげに推薦!『謝花きっぱん店』の「冬瓜漬」

撮影・青木和義 文・梅原加奈

琉球宮廷菓子の製法を今に受け継ぐ、名店のもてなしの味。

冬瓜漬6本入り2,400円。薄くスライスしてお茶請けだけでなく生ハムやチーズと合わせても美味。季節限定で抹茶やハブ酒入りのものも登場。〈きっぱん〉は柑橘類を練り固めた砂糖菓子で、向田邦子のエッセイにも沖縄みやげとしてその名が登場する。
冬瓜漬6本入り2,400円。薄くスライスしてお茶請けだけでなく生ハムやチーズと合わせても美味。季節限定で抹茶やハブ酒入りのものも登場。〈きっぱん〉は柑橘類を練り固めた砂糖菓子で、向田邦子のエッセイにも沖縄みやげとしてその名が登場する。

〈冬瓜漬〉は300年ほど前に中国から伝来し、琉球王朝の振る舞い菓子として供されたと記録が残る歴史ある銘菓。『謝花きっぱん店』は、店名にある〈きっぱん〉という伝統菓子とともに、〈冬瓜漬〉の製法を今の時代に伝える唯一の琉球菓子の店だ。日本の行事室礼記研究家の広田千悦子さんは、偶然この店のことを知り、取り寄せをしたのだという。

「季節の室礼を教えるお稽古の最後に、生徒のみなさんに茶と菓子をお出しするのですが、その際には常に、日本の歴史や文化にちなむものを選びたいと思っています。沖縄の歴史に触れるいい品はないかと探していた時に『謝花きっぱん店』の〈冬瓜漬〉を知りました」

現地で「シブイ」と呼ばれる沖縄料理の定番食材である冬瓜を丁寧に蜜煮し、乾燥させ、砂糖をまとわせた砂糖菓子。

「まず見た目がとても美しい。薄くスライスしていただくのですが、切ると断面が琥珀色に透けていて、砂糖をまといキラキラと星のような輝きがあって。味は、外側の砂糖のシャリッとした感じと内側の冬瓜の瑞々しくしっとりした歯触りが楽しめ、煮詰めて濃縮された甘味が残る。和菓子とも西洋菓子とも違う独特の風味で、手みやげでお渡しすると〝これまでに味わったことがない〟と驚きの感想をいただくことが多いですね。時間をかけて作られていると分かる味わい深さがありますし、伝統を知るとその味もまた格別に感じられると思います」

手みやげを選ぶときには〈冬瓜漬〉のようにそのものの背景にあるストーリーを大事にしたい、と広田さん。

「古くからの製法や精神を守りながら作り続けているものに惹かれます。そういうものに出合ったら、まずは自分でちゃんと味わうこと。そのうえで、気に入ったものだけをお渡しします。おいしいね、と共感できるとうれしいですよね」

「日本の行事室礼記研究家」広田千悦子さんが手みやげに推薦!『謝花きっぱん店』の「冬瓜漬」

●謝花きっぱん店(じゃはな・きっぱんてん)
沖縄県那覇市松尾1・5・14
TEL.098・867・3687 
営業時間:10時〜17時(土〜16時)、日曜休。

  • 広田千悦子

    広田千悦子 さん (ひろた・ちえこ)

    日本の行事室礼記研究家

    「季節のしつらい教室」を主宰し、日本の行事や習わしを現代の暮らし方に合わせたスタイルを提案。著書に『にほんの行事と四季のしつらい』(世界文化社)など多数。インスタグラム@saijikist
    撮影・広田行正

『クロワッサン』1132号より

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