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鰯のタジン【荻野恭子さんのおいしいトマト煮込み】

万国で作られているトマトの煮込み料理にはどんなものがある? 少ないスパイスで、手軽にそのレシピを再現!

撮影・黒川ひろみ スタイリング・矢口紀子 構成&文・堀越和幸

料理研究家の荻野恭子さんはこれまでに世界65カ国以上を訪れて、現地の主婦やシェフに料理を学んできた。

「トマト料理はどの国でも人気。トマトにはグルタミン酸という旨み成分があるから、料理がおいしくなります」

中でも今回紹介してくれたのは各国の家庭で作られている定番煮込み料理。

「肉や魚のタンパク質を1つ、それに2〜3種の野菜を一緒にして煮込むというごくシンプルなものです」

ポイントはスパイスと塩の扱いだ。

「スパイスはすべてだと大変なので、料理の個性が表れる最低限のものを選びました。肉魚には塩で下味をつけて加熱します。煮込んでそれぞれの食材からコクが出たら、最後に味見しながら少量の塩で調えてください」

[トマトジュース]で鰯のタジン(モロッコ)

タジンとは蓋がトンガリ帽子の形をしたモロッコの鍋。

「もちろんなくてもできます。土鍋で作ってみてください」

作り方は至って簡単。鰯、玉ねぎ、じゃがいもなどの材料を鍋に入れたら、トマトジュースでそのまま蒸し煮。

「ポイントは塩にまぶしたレモンの薄切りを入れること」

このひと技で、気分が一気に異国にさらわれてしまう。

鰯のタジン【荻野恭子さんのおいしいトマト煮込み】
モロッコではレモンの塩漬けが市場の店先に並ぶほど、料理によく使われる。
モロッコではレモンの塩漬けが市場の店先に並ぶほど、料理によく使われる。
先住民のベルベル人が、少ない水で料理を作るために考案したタジン鍋。
先住民のベルベル人が、少ない水で料理を作るために考案したタジン鍋。
鰯のタジン【荻野恭子さんのおいしいトマト煮込み】
モロッコではレモンの塩漬けが市場の店先に並ぶほど、料理によく使われる。
先住民のベルベル人が、少ない水で料理を作るために考案したタジン鍋。

【材料(2人分)】
鰯の水煮缶 1缶
玉ねぎ 1/4個
じゃがいも 1個
ブロッコリー 1/2個
レモン 1/2個
塩 小さじ1/2
黒胡椒・オールスパイス 各小さじ1/4
トマトジュース 1カップ
オリーブ油 大さじ2
コリアンダー 1枝

【作り方】
1.玉ねぎ、じゃがいもは薄切り、ブロッコリーは小房に分ける。レモンは薄いいちょう切りにし、塩をまぶす。
2.鍋にオリーブ油、1、鰯を水煮汁ごと、黒胡椒、オールスパイス、トマトジュースを入れ、蓋をして13分ほど弱めの中火で蒸し煮する。
3.コリアンダーのみじん切りを散らす。

  • 荻野恭子

    荻野恭子 さん (おぎの・きょうこ)

    料理研究家

    自宅で料理教室を主宰しながら、世界の食文化を研究する。『おうちでできる世界のおそうざい』(河出書房新社)など、著書多数。

『クロワッサン』1129号より

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