チリコンカン【荻野恭子さんのおいしいトマト煮込み】
撮影・黒川ひろみ スタイリング・矢口紀子 構成&文・堀越和幸
料理研究家の荻野恭子さんはこれまでに世界65カ国以上を訪れて、現地の主婦やシェフに料理を学んできた。
「トマト料理はどの国でも人気。トマトにはグルタミン酸という旨み成分があるから、料理がおいしくなります」
中でも今回紹介してくれたのは各国の家庭で作られている定番煮込み料理。
「肉や魚のタンパク質を1つ、それに2〜3種の野菜を一緒にして煮込むというごくシンプルなものです」
ポイントはスパイスと塩の扱いだ。
「スパイスはすべてだと大変なので、料理の個性が表れる最低限のものを選びました。肉魚には塩で下味をつけて加熱します。煮込んでそれぞれの食材からコクが出たら、最後に味見しながら少量の塩で調えてください」
[トマトピューレ、トマトケチャップ]でチリコンカン(アメリカ南部)
メキシコ料理由来でチリコンカルネとも称される。「カルネ」は牛肉の意。ベーコンのほか牛肉、ソーセージが入ることも。
「時間をかけない煮込み料理ではわざわざそこまでしなくとも、ベーコンだけで充分にいい旨みが出ます」
トマトの味付けはトマトピューレとケチャップで。
「ケチャップはわずかな甘みを出すために加えました」
【材料(2人分)】
玉ねぎ 1/4個
にんじん 1/4本
ベーコン 60g
トマトピューレ 1/2カップ
トマトケチャップ 大さじ1
キドニービーンズ 1缶(100g)
塩 小さじ1/2
ドライタイム・粉唐辛子 各小さじ1/4
オリーブ油 大さじ1
【作り方】
1.玉ねぎ、にんじん、ベーコンはさいの目切りにする。
2.鍋にオリーブ油と1を入れ、中火でしんなりするまで炒める。
3.キドニービーンズ、トマトピューレ、トマトケチャップ、水1カップ、タイム、粉唐辛子を加え、13分煮る。塩で味を調え、器に盛り、タイム(分量外)を散らす。
『クロワッサン』1129号より
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