中井美穂さんが選ぶ、「価格も品質も使い勝手も“頃合い”がいいもの」。
あの人が選んだものなら間違いない。界隈でも定評がある、「いいもの見つけ上手」の選んだものは?
撮影・黒川ひろみ ヘア&メイク・鈴木麻衣子 文・板倉みきこ
〈ミディアム〉の服
スタイリスト小暮美奈子さんが手がける、着心地よく、楽チンでおしゃれな服。
〈ミディアム〉のアトリエで、小暮さんとファッション談議。
「似合わないと思い込んでいたものや、新しい色に挑戦する気にさせてもらえ、小暮さんのアドバイスは、いつも刺激になります」
(ミディアム https://days-store.com/)
過去の買い物経験が導き出す、 “今”の自分と気分に合うもの。
種類も量も豊富に、様々な買い物遍歴を辿り、多くの失敗も経験してきたフリーアナウンサーの中井美穂さん。実は最近、物を買う際の基準に以前との違いが出てきたことを感じるそう。洋服に関しては“原点回帰”がテーマ。
「若い頃はあれこれコーディネートを考えるのが好きで。でも、最近は体形に合ったワンピース一辺倒。組み合わせを考える必要がなくて楽なんですが、なんだかつまらなくなってきて……。昔好きだったシャツとパンツの組み合わせ、今の私ならどうする? そのヒントをくれたのがスタイリストの小暮美奈子さんが手がける服でした」
昔からの好みといっても、もちろんアイテムは当時のままではない。
「シャツ一枚でも様になる厚みのある素材だったり、パンツのウエストはゴムで楽に穿けるのに、脚がスッと細く見えるシルエットだったりと、細部に大人の女性が着るための工夫が凝らされている点がうれしい。小暮さんの少し抜け感のある着こなしが好きなので、ご本人はもちろん、スタイリング写真もためになります。今まで着たことがなかったピンクの良さを知ったり、自分では思いつかない組み合わせに挑戦できるのが楽しいんです」
ファッション以外の買い物は、自分の好みを“深掘り”していく傾向に。
「今後どんなふうに変化していくのか、想像力を掻き立てられる若い作家さんの作品や、商品の裏にあるストーリーを感じるものを好んで買うようになりました。壊れたり失くしたら買い替えればいい、というものではなく、一期一会のものが好きですね」
何を買うかより、誰から買うかも重視するようになったことのひとつ。
「価格も品質も使い勝手も、自分にとって“頃合い”がいいものを選ぶように。そんな基準ができたのも、いろいろ経験したからこそですよね。希少な一点ものも、日常的に使う消耗品でも、買い物って究極は自己満足。自分の暮らしや気分をちょっと底上げしてくれる、頃合いがいいものとの出合いを、この先も大切にしていきたいです」
中井さんの〝今〟に合うもの。
福光屋の フレナバ LPSプロテクトバーム
「化粧品は、惜しげなく使えて効果があるものが好み。今年、既に3個目を使っています」。金沢の老舗日本酒メーカーが手がけるバーム。選び抜かれた米と水、菌による発酵の力と有機成分を配合。濃密なテクスチャーで肌を包む。
村井陽子さんの磁器のオブジェ
手びねりで形を作り、筆で絵付けした磁器のオブジェは、愛知県瀬戸市で作陶する村井陽子さんの個展で。「動物の可愛さと写実感の加減が絶妙です。自分だけのディスプレイスペースに飾って、癒やされています」。
インドラマンスヌワールのネックレス
希少な石のコレクターでもある、ジュエリーデザイナーによるオリジナルのネックレス。青から緑へのグラデーションが神秘的な石・グランディディエライトに惹かれ、オーダーしたもの。「インドラさんに石の話を聞くのも楽しい」。
永守紋子さんの漆器のぐい飲み
繊細な筆遣いとモチーフで、漆の新しい可能性を発信する作家。「漆の常識にとらわれない作品が素敵です。螺鈿でジャスミンの小花が施されたぐい飲みは、可愛いけれどどこか凛としている、その加減も好みです」。
OSMIC(オスミック)の箱入りフルーツトマト
最高峰の高糖度フルーツミニトマト。「楽屋見舞いに伺う際に、最近よく利用しています。箱を開けた時のインパクトもあるし、お菓子とは目先が変わって印象に残り、ヘルシーな点もポイント」。
『クロワッサン』1107号より