くらし

新しい一年に、おいしくて可愛い、縁起の良い和菓子をぜひ。

新しい一年、手みやげや自分用に選ぶなら福を呼ぶ縁起のいいお菓子をぜひ。
おいしくて見た目も可愛いお取り寄せ可能な逸品を集めました。
  • 撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子 文・嶌 陽子

年中行事などの際に食べて無病息災や幸福を願う縁起菓子。年末年始は特に盛んに作られ、この時季限定のものも多いのだそう。今回とっておきの縁起菓子をセレクトしてくれた2人に、その魅力を聞いてみた。

「縁起菓子には華やかな色合いのものや動物や花といった可愛いモチーフのものが多いので、目にも楽しく、心が浮き立ちます」(甲斐みのりさん)

「なぜ縁起がいいのかなど、それぞれのお菓子の歴史や由来を調べてみると興味深く、その分おいしさも増す気がします」(齋藤優子さん)

家族や友人で集まる時分だから、おいしくて姿も可愛い縁起菓子があれば会話も弾みそう。皆でつまみながら、新しい一年の幸福を願おう。

●甲斐みのり(かい・みのり)さん
文筆家旅、散歩、お菓子、建築、雑貨や暮らしを主な題材に、書籍、雑誌、webなどに執筆。イベントや雑貨の企画も。近著に『愛しの純喫茶』(オレンジページ)。

●齋藤優子(さいとう・ゆうこ)さん
東京や京都エリアから全国までアンテナを張り、本誌はじめ『BRUTUS』『an・an』『&Premium』などの雑誌やwebでフード、スイーツ中心に執筆。

住吉の久寿餅

2枚入(2~3人用) 850円〜。

名前にも形にも厄を払い、福を呼び込む願いが。

葛粉を使った関西の葛餅とは異なる、でんぷんを発酵させて作る関東のくず餅はもっちりとした食感が特徴。「江戸時代にこのお菓子を考案した久兵衛さんの『久』と、無病息災を願う『寿』の名を入れ、久寿餅と命名したそう。三角形にも厄を除ける意味があります」(齋藤さん)。

神奈川県川崎市川崎区大師町4・47
TEL.044・288・4437 
営業時間:8時30分~17時 不定休

柏屋のこうふうのかさね

5個(5種類×各1個)入、15個入があり、2,376円〜。

陰陽五行思想の「五色」を美しい一口羊羹で表現。

日本の伝統文化に欠かせない五色を表現した一口サイズの羊羹。色はよもぎや紅花など、すべて天然の素材由来で、色によって異なる味を楽しめる。「青・赤・黄・白・黒は陰陽五行思想で万物を表す縁起のいい色。色から福を招くのも楽しいものです」(甲斐さん)。

大阪府吹田市千里山西2・5・18 
TEL.06・6386・2234
営業時間:12時~13時、18時~19時30分 
休日:日曜

粟玄の和洋

90g(約15~16粒) 972円。

つい手が止まらなくなる縁起物「おこし」の現代版。

大阪名物・粟おこしの老舗が作った創作菓子。おこしの製法を活かし、アーモンドをコーヒーと生クリームで包んでいる。「『身を興し、名を興し、家興し』といわれるように、おこしは昔から縁起のいいお菓子。口の中でホロッとほどける食感はまさに職人芸。手仕事ならでは」(齋藤さん)。

大阪市住吉区上住吉1・2・3 
TEL.06・6671・0246 
営業時間:9時30分~16時30分 
休日:土・日曜、祝日

ヒッコリースリートラベラーズの浮き星

deux缶 for ice cream 20g 702円。

可憐な姿のあられは、魔除けの意味を持つ星の形。

新潟の伝統菓子。金平糖のようだが、実はもち米に砂糖蜜をかけた極小のあられ。「魔除けのモチーフとして知られる星形。お茶に落とすと、夜空に瞬く星のように浮かびあがってくる様子が愛らしい」(齋藤さん)。アイスクリームなどのトッピングにしても。

新潟市中央区古町通3番町556 
TEL.025・228・5739 
営業時間:11時〜17時 
休日:月曜(祝日の場合営業、翌火曜休)

亀屋清永の清浄歓喜団

1個 648円、箱入り 702円〜。

清めのお香が餡に入った日本最古のお菓子。

奈良時代に仏教と共に日本に伝わったとされる、日本最古のお菓子。清めの意味を持つ7つの香りがついた餡を小麦粉と米粉の生地で金袋型に包んで上質なごま油で揚げている。「硬い生地を割ると、白檀や桂皮などの香りが広がる唯一無二の味わいです」(齋藤さん)。

本店:京都市東山区祇園石段下南
TEL.075・561・2181 
営業時間:8時30分~17時 休日:水曜(不定休あり)

甘納豆かわむらの豆壺

各1,500円(壺の色は季節により変わる)。

昔から身近な縁起物の豆が可愛らしい壺に入って。

大納言、白花美人、金時豆の3種類の甘納豆を美濃焼の壺に詰め合わせたもの。ほっとする甘さについ手が伸びる。「豆は『魔滅』に通じ、古くからの縁起物。『マメに働く』という語呂合わせも」(齋藤さん)。

石川県金沢市野町2丁目24・7 にし茶屋街 
TEL.076・282・7000
9時30分~18時(日曜、祝日は9時~17時) 
営業時間:第1火曜(5月、12月は営業)、12月31日〜1月3日

鶴屋信の福ハ内

13個入り 3,564円(12月〜2月3日のみ販売)。

邪気を払って福を呼び込む節分の豆がモチーフ。

節分の豆をかたどった白餡入りの桃山。ほっくりした食感と甘みがお茶に合う。「節分には邪気を払い、福を呼び込む風習が。日本の縁起物は言葉遊びを楽しむものも多いのですが、お菓子が入った枡をかたどった木箱も『ますます繁盛』の語呂合わせです」(甲斐さん)。

京都市上京区今出川通堀川西入る 
TEL.075・441・0105 
営業時間:9時~18時 
休日:水曜(不定休あり)

きよめ餅総本家の藤団子(とうだんご)

1房 300円、5房入り 1,700円〜。

厄除けや豊作を願う熱田神宮ゆかりの干菓子。

くす玉の5色にならい、厄除けや五穀豊穣を願って作られた愛知県の熱田神宮ゆかりの干菓子。藤の花房に見立てて、紫、白、紅、黄、緑の5色の輪が一房となって麻紐で結ばれている。「熱田神宮の門前に店を構えるこちらの藤団子は、色が淡くてきれい」(齋藤さん)。

本家:愛知県名古屋市熱田区神宮3丁目7・21 
TEL.052・681・6161
営業時間:8時30分〜18時 無休

『クロワッサン』1108号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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