旨みがしっかり感じられると、味付けに使う調味料の量が自然と少なくなり減塩にもつながる、と藤井恵さん。
「味にメリハリをつけながら、楽しく食べることが減塩を長続きさせるコツ。それには出汁をうまく取り入れて。塩分を減らしても、旨みや香りを足せば、物足りなさは感じません」
お馴染みの食材では、昆布に含まれるグルタミン酸、干し椎茸のグアニル酸、煮干しや鰹節のイノシン酸、この3つが代表的な旨み成分。これらのうち、植物性と動物性の食材を合わせると、旨みの相乗効果が生まれ、おいしさも増す。じっくり煮出した合わせ出汁は、味や香りも強くまさに極上の調味料。より手軽にという際には、1種を水出しするという方法も。もう一つのおすすめは、自家製の粉末出汁。
「旨みと栄養が全て摂れ、出汁がらも出ません。たとえば、干し椎茸と干しエビ、昆布と煮干しなどを、一緒にすり鉢やミルミキサーで粉末にして。味噌汁や煮物、お浸しなど、粉が目立たない料理に使うといいでしょう」
また、出汁を取らず、食材から出る旨みを生かして調理する技も。乾物などの旨みを汁に移し、それを汁ごと素材にまとわせると、味が染み込んで塩分が少なくとも満足度の高い一品に。