俳優・鈴木浩介さん「こう見えてめちゃくちゃ気が短くてイライラしがちです(笑)」【今会いたい男】
撮影・山本康典 スタイリング・久 修一郎(インピゲル) ヘア&メイク・藤原羊二(UM) 文・田辺 香
「お客さまと一緒に作品が完成することをコロナ禍の舞台で痛感しました。」
2007年放送のドラマ『ライアーゲーム』の福永ユウジ役を演じ注目を浴び、今や出演作が100本を超える人気俳優。
NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』の温和で気のいい役場職員や、話題作『トリリオンゲーム』の癖が強い金儲け主義のゲームプロデューサーなど、毎回演じるキャラクターの振り幅が広い。本当の鈴木浩介さんはどんな人なんですか?
「こう見えてめちゃくちゃ気が短くてイライラしがちです(笑)。仕事でちょっと朝が早いだけで愚痴る。早朝の生放送に出演したら“体内時計が狂っちゃってもう今週ボロボロ”とか現場のスタッフに全力でアピールするタイプ(笑)」
舞台『シラの恋文』では草彅剛さんと共演するという。有名なフランスの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』に着想を得た、劇作家・北村想さんのオリジナル作品。
「準備稿まではものすごく難しかったんですが、決定稿からは楽しく読めました。ただ北村作品は漢字が難しくて読めないんですよ(笑)。恥ずかしい話、最初は何時間もかけて漢字を調べながら格闘しました」
草彅さんとは鈴木さんの連ドラデビュー作で共演した関係。
「当時感情が揺れた瞬間の草彅さんのお芝居を目の当たりにして凄さを実感しました。今回の舞台では登場人物が草彅さん演じる主人公と出会うことでなぜか自分の過去だったりをたくさん話してしまうんです。
草彅さんご自身が、この人には喋ってしまうよなっていう説得力を持っている役者さんなんですよね。人間的な魅力に溢れた方だからぴったりの役だと思いますし、舞台は初めてご一緒するのでとにかく楽しみです」
また鈴木さんが“演劇の神”と仰ぐ段田安則さんが重要な役で登場する。
「役者鈴木浩介の半分は段田さんでできていると言ってもいいくらい(笑)。役者としてどういう世界を目指すべきかを背中で教えてくださった先輩です」
演技派揃いのハイレベルな舞台に期待は高まるばかり。さらに2024年は鈴木さんにとって40代最後の年。
「コロナ禍でも演劇をやり続けることができたことが、ターニングポイントになりました。マスクをした状態でも観にきてくださるお客さまがいて、お客さまと一緒に作品は完成するんだということを改めて感じました」
忙しい日々、同業者の妻とは阿吽の呼吸で家事をサポートし合うという。
「掃除機をかけたり洗濯物を畳んだり。僕ができることはするんだけど、やったってことはいちいち言わないようにしています。恩着せがましくしないほうがいいっていうのは先輩たちの教えです(笑)」
ジャケット6万9300円、パンツ4万1800円(共にCONTEMPO/ヤエカ ホーム ストアTEL.03・6277・1371)
『クロワッサン』1105号より
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