瞬きやほんの少しの視線の動きでも、人物の複雑な心情が伝わるような、細やかな演技で人々を魅了する若葉竜也さん。このたび、映画『ペナルティループ』(荒木伸二監督)に主演する。
「コロナ禍や悲惨なニュースで閉塞感が満ちていた時期に、オファーをいただきました。『これまでにない手触りの映画を作りたい』という制作スタッフの熱い意欲に打たれました。手を差し伸べられたような感じがしたんです」
恋人を殺された主人公が、繰り返し殺人犯に復讐できるプログラムに参加する。不穏さと滑稽さが入り混じりループする奇妙な世界はクセになりそう。
「ある程度方程式ができてしまっている日本映画から逸脱した作品を投げ込んだ時に、世間がどんな反応を示すのか見てみたいという思いもありました」
今回、若葉さんは脚本段階から数え切れない数の打ち合わせに参加した。
「映画は、立場を超えてみんなでアイデアを出し合いものづくりができる場所。作品にとっていいと思うことを最大限することで、自分も責任を負えますし、そうすれば結果がどう転んでも、人のせいにせず、受け止められます」