鎌倉の美味しいもの好きが太鼓判!昼も夜も大満足の、訪ねるべき9店。
地のものを活かした味わい深い料理、お酒、甘いものも網羅。
秋の鎌倉散策はこれで決まり。
撮影・大河内 禎 文・赤澤かおり
教えてくれた人
●赤澤(あかざわ)かおりさん
フリー編集者、ライター
鎌倉を拠点に料理と旅、人や暮らしについて執筆、編集をする。近著に自身の料理本歴と料理本の読み方、愉しみを綴った『人生にはいつも料理本があった』(筑摩書房)がある。
●堀内千佳(ほりうちちか)さん
「café vivement dimanche」マダム
鎌倉の人気老舗カフェ。マスターを陰で支えるマダムの堀内さんは、毎日行列が絶えない大人気パフェの生みの親であり、キッチン部のリーダーでもある。
●馬詰佳香(うまづめかこ)さん
「DAILY by LONG TRACK FOODS」主宰
鎌倉市農協連即売所内のデリとスイーツのお店。スコーンやレモンケーキ、ピクルスなどは、ローカルたちの手みやげや日常使いの定番。全国各地から人が訪れる人気店。
●小山千夏(こやまちなつ)さん
「fabric camp」オーナー
鎌倉・雪ノ下で生地店を営む。インドからの肌触りのいい手紬の生地やブロックプリントのチャーミングな生地を扱うほか、それを使って仕立てるオリジナルの洋服も人気。
23(ニジュウサン)
とびきりおいしいタコスは必ずオーダーするメニューです。(馬詰さん)
鎌倉駅西口、通称裏駅にほど近い場所にオープンして1年半。瞬く間においしい噂が広まったここは、季節のものをメインに毎日変わる無国籍の料理が味わえるビストロ。
人気のタコスは皮から、パスタはオーダーが入ってから手打ちするなど手間暇を惜しまない。
「どの料理にもシェフの工夫が凝らされていて、食べる前からワクワクします。注文が入ってから焼かれる皮と盛りだくさんな具のタコスは、必ずオーダーするものです」(馬詰佳香さん)
●神奈川県鎌倉市御成町14・6 ウランブル鎌倉 I
TEL.0467・38・7078
営業時間:12時〜14時30分L.O.、17時〜21時L.O.
休日:月曜
exotica(エキゾチカ)
近所なのに旅先みたいな気分になれるお店です。(堀内千佳さん)
季節とともに変わるエキゾチックでバラエティ豊かなスープと自家製パン、肉まん、キッシュから好きなものが選べるランチのセットから火がつき、今や地元マダムたちの定番ランチ&憩いの場に。
「朝9時からお昼は14時半まで、夜は18時から23時まで営業しているのもありがたい。休みの日はランチ前の朝シャン(シャンパンと牡蠣)からの、スープとサラダと決めています」(赤澤かおりさん)。
秋のスープは濃厚な、焼きなすのポタージュが登場。
●神奈川県鎌倉市御成町14・6 ウランブル鎌倉A
TEL.070・2363・1192
営業時間:9時〜11時(モーニング)、11時〜14時30分(ランチ)、18時〜23時(ディナー&バー)
休日:月曜、日曜ディナー
café vivement dimanche(カフェ ヴィヴモン ディモンシュ)
言わずもがなの大人気店。鎌倉に来たらぜひ行きたいところ。(小山千夏さん)
鎌倉に店を構えて今年で29年。ローカルにも、観光客にも長年変わることなく愛され続けている唯一無二のカフェ。
自家焙煎によるこだわりの名水で淹れるコーヒーや、定番のコーヒーパフェ、プリンのパフェに加え、季節ごとに登場するパフェなど話題に事欠かないのも人気の理由。
「まったく飽きない永遠のアイドルみたいなオムライスがとにかく好き。長蛇の列もなんのその、ぜひオムライスもパフェも、フルコースで制覇してほしい」(赤澤さん)
●神奈川県鎌倉市小町2・1・5
TEL.0467・23・9952
営業時間:11時〜18時
休日:水・木曜
piu forte(ピュ フォルテ)
毎度、シェフのセンスに圧倒されます。(小山さん)
「食べたことのないイタリアの地方料理やそれに合わせたワインを飲ませてくれるのが楽しいところ。料理やお酒にまつわる話もおもしろく、料理に対する情熱を感じます」(堀内さん)。
「おまかせの前菜がずっと食べ続けられるくらい、本当においしい。シェフのセンスに圧倒されます」(小山さん)。
「イタリアを旅して研究するご夫妻が生み出す料理が毎回楽しみ」(赤澤さん)。
3人揃って太鼓判を押すイタリアン。イタリアと中欧諸国のワインの充実ぶりも圧巻。
●神奈川県鎌倉市雪ノ下3・3・26
TEL.0467・67・1735
営業時間:12時〜13時L.O.、18時〜20時30分L.O.
休日:月曜、火曜不定休(要確認)
Pho RASCAL(フォー ラスカル)
やさしい味わいのスープに季節の野菜がたっぷり。(馬詰さん)
東京・吉祥寺の伝説の食堂『クゥクゥ』を経て、神奈川・大磯で食堂をオープン後、鎌倉に移転して丸6年。
鶏もも肉と鶏むね肉からとったやさしい味わいのスープがハワイのフォーに似ているとの声もある店。
「やさしい味わいのさっぱりしたスープに季節の野菜がたっぷりのベジタブルフォーがお気に入りです」(馬詰さん)。
「とにかく何を食べてもおいしいので、すでに全メニュー制覇済み! 通しで営業しているのもありがたい」(堀内さん)
●神奈川県鎌倉市小町1・15・5
TEL.0467・25・1238
営業時間:11時〜16時30分L.O.
休日:日・月曜
TRES(トレス)
一番通っているお店。誰かを連れて行くとみんな大好きになります。(堀内さん)
鎌倉の夜を支えて9年目。季節の素材を使って作る、お酒に合うのはもちろん、お腹もしっかり満たすつまみの数々に魅了され、一度行ったらすぐまた行きたくなる人続出のワインバー。
ワインはフランス、イタリア、日本を中心とした自然派が揃う。
「季節に寄り添った魅惑的なメニューが次々出てくるのがいい! ワイン好きなのでいろいろ教えてもらえるのも楽しみ。とはいえ、いつもおまかせしっぱなしなんですが(笑)」(小山さん)
●神奈川県鎌倉市扇ガ谷1・8・9 鎌工業会館ビル102
TEL.0467・66・1324
営業時間:16時〜23時L.O.
休日:水曜、月2回不定休
時間
いい音楽と、料理とお酒、すべて揃っています。(赤澤さん)
かつてレコード店の店員として働いていた店主が30代で一念発起!飲食の道へ。鎌倉の名店で修業後、2023年春、自身の店をオープン。
ここには人生の中でいい時間を過ごすためにオーナー自身に欠かすことのできない3つの要素、音楽とワインと料理が詰め込まれている。
ほぼ一人で切り盛りしながら、料理をし、ワインの説明をして、レコードもかける、いい時間を作るために日々奮闘する寡黙なオーナーの作る料理と空間を味わいにぜひ。
●神奈川県鎌倉市御成町9・34 Confortタカサキビル1F左
TEL.0467・40・4901
営業時間:17時〜24時
休日:日曜、第1・3月曜
酒肴 こころや
緑に囲まれた空間で昼飲み。大人でよかった〜。(赤澤さん)
北鎌倉の東慶寺の緑あふれる庭の一部を眺めながら、料理人である主人が自ら足を運んで選んできた数々の日本酒に舌鼓。
合わせる料理は、無化学肥料無農薬の季節野菜や三崎、天草、舞鶴などから仕入れる極上の魚の味わいを生かしたもの。
1年ほど前に昼からしっかり飲めて食べられる店へと営業スタイルをチェンジし、昼からこの景色を眺めながら大人の昼飲みが楽しめるところとしてさらに人気が高まっている。12月初旬には紅葉も!
●神奈川県鎌倉市山ノ内1386
TEL.0467・40・6507
営業時間:11時〜15時(土・日曜、祝日〜17時)
休日:火・水曜
十二所 膳所(ぜぜ)
目にも舌にも美しい料理は、自分へのご褒美。(赤澤さん)
京都の名店『たん熊』で修業後、地元鎌倉に和食『一平』をオープンして11年。鎌倉・由比ガ浜で特別な時間を過ごすため、おいしい和のものをいただく場として地元の人を中心に定着してきた名店がこの秋、昼のお弁当の店をオープン。
場所は鎌倉・十二所、明王院の境内の奥の一軒家。緑生い茂る山を背にした風情あるこちらでいただけるのは、季節のものを盛り込んだお弁当。その間、由比ガ浜の一平は少々お休み。2024年秋には新店舗にて再開予定。
●神奈川県鎌倉市十二所33・2
TEL.0467・25・2314
営業時間:11時〜14時*要予約(限定15食) 不定休
*鎌倉駅から京急バス(23、24、36系統)に乗り、「泉水橋」下車、徒歩3分。
『クロワッサン』1101号より ※メニューや価格は取材時のものです。