くらし

柳楽優弥さん「これからは自然体でいこうと大きな心変わりがありました。」【今会いたい男】

ドキリとする目ヂカラの持ち主の柳楽優弥さん。
30代になってから起きた心境の変化とは……。
  • 撮影・小笠原真紀 スタイリング・長瀬哲朗  ヘア&メイク・望月志穂美 文・木俣 冬

取材中、きらりと光ったピアスは、柳楽優弥さんのお気に入りのもの。

「連続ドラマW-30『オレは死んじまったゼ!』のなかでもこれをつけています。衣装合わせのときにもつけていたら、長久允監督に『これ、使わせて』と言われて、そのまま……」

どんな役でも迫真の柳楽さんが、『オレは死んじまったゼ!』で演じたのは、生前、売れないホストだった幽霊。成仏するため、仲間の幽霊たちと共に人生を見つめ直していくという物語だ。

「体裁は気楽に見られるヒューマンドラマですが、テーマ的には実はもっとレベルの高いことを扱っている気がします。映像も独特で、演じているときは想像だにしなかったものに仕上がっていて、サプライズ感がありました」

生きることの本質に迫ったドラマの、喜劇性も叙情性も、柳楽さんはいい感じに肩の力を抜いて演じている。

「30代になってから、自然体でいこうと僕のなかで大きな心変わりがありました。20代では、役を追求して徹底的に作り込むことをやってきたので、これからは自分のパーソナルな部分を出すアプローチもいいかなと思って」

柳楽さんの役が魅力的なのは、プライベートも充実しているから?

「最近、トランペットを始めました。おじいちゃんになって吹けたらかっこいいなと思ったのと、深い呼吸ができるようになるかなという期待もありました。いまはジャズの『この素晴らしき世界』を練習中です。僕が前から好きなヒップホップにも、ジャズトランペットと融合しているアーティストがいて、それがかっこいいんですよ」

13年ほど続けている武道も新たなフェーズに突入しているところ。

「護術ならぬ護術として始めた武道の黒帯審査が控えているので、練習に励んでいます。生きていると様々なトラップが立ちはだかってくるから、心も体も鍛えないと(笑)。トレーニングのある日はお酒を飲まないようにしているので、ない日に飲むことが最近の楽しみになっています」

多才な柳楽さん。『オレは死んじまったゼ!』ではパラパラも踊っている。

「ビートたけしさん役を演じた『浅草キッド』という作品ではタップをやりましたし、踊りに縁がありますね(笑)」

大きく強い瞳に豊かな感性が宿る。

「配信によって、アジアの作品や俳優が世界に出ていきやすくなってきた時代ですから、僕もいろいろな国の作品から刺激を受けたいと思うし、多くの方に見てもらえる俳優でありたいです」

柳楽優弥

柳楽優弥 さん (やぎら・ゆうや)

俳優

1990年3月26日、東京都生まれ。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。2004年、映画『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。ディズニープラス『ガンニバル』配信中。WOWOW『オレは死んじまったゼ!』は9月1日23時30分より放送・配信、映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』は10月公開。

今会いたい男『クロワッサン』1100号より

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