50歳で始めた”お庭ライフ”で人生の楽しみが増えた、アナウンサー・富永美樹さんの趣味活。
そんなアクティブな富永美樹さんの、人生を彩る趣味活とは?
撮影・黒川ひろみ 文・恒木綾子
“お庭ライフ”を始めて人生の楽しみが増えた。
[富永美樹さん]×[庭しごと]
●はじめた年齢
50歳
●きっかけ
移住先の山梨で過ごす時間が増えたこと。
富永美樹さんが東京と山梨の2拠点生活を始めたのは、2014年のこと。
「夫に誘われ、それまで興味がなかったキャンプに目覚めてから15年間、自然の中で過ごすことの心地よさをずっと感じていたんです。自然の中で過ごすほうが自分が自分らしくいられるし、仕事で落ち込むことがあっても、大自然の中にいるとそれがどうでもよくなったり。だったら、自分の心と体の健康のためにも自然の中にもう一つ家を持とうという決断に至りました」
こうして辿り着いた富士山の麓の家で、徐々に庭しごとに熱中していく。
「私は“お庭ライフ”と呼んでいるんですけど、最初は芝生を植えるところから始まり、お花やハーブを育て、お庭でバーベキューや焚き火をしたり、時にはテントを張って寝てみたり。お庭があることで人生の楽しみが一つも二つも増えていったんです。
それに植物は、それぞれ生える場所が違って、日向を好むものも日陰を好むものもある。そんな姿からはみんなが同じである必要はないと多様性のようなものを教わることもあったりして。お庭をいじりながら五感を働かせていると、本当にいろんな気づきがあるんです」
そんな暮らしが数年続いたある日、大きな転機が訪れる。コロナによって東京での仕事がすべてストップし、山梨で過ごす時間が長くなったことで、地元の人々との交流も増加。そこで出会った友人と共に、2022年秋、庭づくりの会社を立ち上げたのだ。
「50歳を過ぎてから起業するなんて完全にギャンブルだし、不安がなかったといえば嘘になります。でも、アナウンサーになって30年、私はこの世界しか知らなくて、それがコンプレックスでもあり、もっと別の世界を見てみたいという願望もあって。だから人生の折り返し地点に立ち、あと何年この気力と体力で仕事ができるかなと考えた時、興味があることは全部やりきってから死にたいと思ったんです」
現在は社長業をこなしつつ現場にも立つなど、大忙しの毎日を送る。
「60歳までにはなんとか会社を軌道に乗せたいと思っています。いつか私のようにお庭ライフを楽しみ、人生がちょっとでも豊かになる人が増えていって、地域の活性化にも貢献できたら」
お店のオープンに向け、ディスプレイを製作中。
富士山の森の中に佇む自宅と広大な庭。
『クロワッサン』1096号より
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