「家事は、開運できる一番の方法」。江原啓之さんに聞く運気の整え方。
「家事のすべてに開運のポイントがあります」
そう語る江原さんがふだん行っている掃除、洗濯、炊事といった日常を大公開。
暮らしのなかにある幸せの種を芽吹かせ花を咲かせる極意を教えてもらいました。
撮影・小川朋央 文・やしまみき
家事で開運!
私は毎年、スピリチュアルな視点からその年を表すワードをお伝えしています。
2023年は「終焉のワルツ」。終焉という崖が目の前にありながら、浮かれたようにワルツを踊っている、ちぐはぐでどこか恐ろしい光景を思わせるワードです。
物価高や食糧難、気候変動といった待ったなしの現実を目の前にしながらも、どこか他人事のような意識で生きる人々の姿を言い当てるかのようですね。しかし裏を返せば、危機感を持って対処すれば終焉という崖を回避できるとも言えます。
大事なのは足元をしっかりと見て、意識を切り替えることです。なかでも家事というのはまさしく地に足のついた行動そのもの。家事を通して日々の暮らしに向き合うことが、これまでの意識を切り替えるきっかけになるでしょう。
よく「家事が面倒だ」という声を聞きます。また「料理が苦手だ」という方も少なくありません。そんな方々には「無理せず、もっと自分を愛してあげてほしい」と申し上げたいですね。
例えば毎日、家族の健康や好みを考えて料理を作るのは大変でしょう。だったら視点を変えて自分が好きなもの、食べたいものを作ってください。自分が食べたいものなら面倒だとは思いませんし、美味しいものを作ろうとするでしょう。
同様に、自分が好きな服を気持ちよく着たいから洗濯をする。居心地のいい空間で自分がリラックスしたいから掃除をする。あくまで自分のためでいいのです。自分が心地よくいられるための家事ならば苦にならないもの。開運の極意は自分を愛し、暮らしに「愛着を持つ」ことです。
2023年を迎えるにあたって、まずは自分がどうしたら幸せを感じられるか、幸せの光景を思い浮かべてみてください。その幸せへの愛着をもっと深めましょう。
幸せの追求は私たちが生きる原点です。自分を見つめ、暮らしを見直し、「原点回帰」するとき、「終焉のワルツ」は恐ろしい言葉ではなくなります。むしろ幸せな自分への「生まれ変わり」と言い換えられるのではないでしょうか。家事に込める思い次第で、運気はコントロール可能です。ぜひ、心地よい暮らしを始めましょう。
江原さんが挙げた家事による開運ポイントは大きく3つある。掃除で、“拭き清める”こと。洗濯や整頓で、“整えて、手放す”こと。そして炊事で、“祓い、洗い清める”ことだ。
なぜ掃除、洗濯、炊事といった家事が開運とつながるのだろうか。
「掃除の行き届いている家に泥棒は入りにくいと言いますよね。スピリチュアルな視点から見れば、それはオーラマーキングのおかげなのです。掃除をするときの気持ちは、その場にオーラとして残ります。例えば『家を守るぞ』と思いながら雑巾がけをしたり、掃除機をかけたりすると、家を守るバリアになる。洗濯物をたたんだり、料理をしたりするときだって、同じようにオーラマーキングできるのです。『念を込める』と言いますが、自らの念ほど強く残るオーラはありません。だから思いを込めて、自らの手で家事をすることがとても大事なのです」
人間にとって欠かせないのは食べることだが、家事の原動力も食にある。
「私は自他共に認める食いしん坊。言い方は悪いけれど意地汚いんですよ。だから美味しいものを食べたいと思う。キッチンを清潔に整えておけば、いつだって手早く、美味しい料理が作れるし、美味しく食べるためには食器だってキレイに洗って、使いやすいよう食器棚に入れておきたい。食べるときもせっかくなら部屋が整っていたほうが、気持ちよく食べられる。すべてが“食べる”に直結するんです。
家事には意地汚さが重要です。意地汚さは言葉を換えれば食への愛着。愛着という視点を大事にしてほしいですね。生きていくために重要なのは衣・食・住・医療です。医療というのは健康も含みますが、衣、食、住、それぞれに愛着を持てばおのずと暮らしは整い、結果的に健康へもつながります」
家事によって一連の流れが生まれ、幸せへとつながる。だから家事で運気を整えられるのだ。ここからは江原さんの暮らしぶりとあわせて、3つの開運ポイントを具体的に見ていこう。
拭き清める。
まず最初の開運ポイントは“拭き清める”。
「掃除機をかけて床をモップで拭くのが私の毎日のルーティンです。ルーティンがつまらないなんて思ったことはありません。だって掃除をすると『あぁ、気持ちがいいな』ってすごく幸せになれるから。私は楽しいから家事をするんです」
“楽しい”気持ちが開運には重要だ。
「オーラマーキングを思い出してください。“楽しい”気持ちで家じゅうを拭くと、家の中の雰囲気は明るくなります。また、雑巾やモップでの水拭きはお清めになります。良きオーラマーキングと水拭きは、家のお祓いなのです」
窓拭きや柱を磨くのは毎日ではないものの、定期的に行っている。
「自宅といっても職場スペースもあるので、スタッフが出入りします。週に1度はスタッフと一緒に窓拭きをします。心が曇っていると窓も曇ります。逆もしかり。窓をきれいに拭き上げると、心がスッキリしますよ。
大掃除のときは木の柱や窓枠をぬか袋で磨きます。ぬかには油分があるので木にツヤが出るんです。肌にもやさしいから安心して使えますしね。大黒柱という言葉があるように、昔は柱を一家の主、人にたとえたでしょう? 柱を磨くというのは、家への愛着とともに家族愛の表れだったのだろうと思います」
モップや雑巾には使い古したタオル、ぬか袋には玄米を家庭用精米機で精米後に出たぬかを使う。掃除道具にも物を大切にするという愛着が見て取れる。ひととおり掃除を終えて窓を開けると新鮮な空気が部屋を通り抜け、さらに清めてくれる。清々しい気持ちで深呼吸し、愛犬である紀州犬の大我くんと一緒に庭の木々に挨拶するのも日課だ。
「もみじさん、梅の木さん、おはようって。大我はよく庭を走り回るので『今日も庭に育んでもらうんだよ』と大我にも話しかけます。そんな毎日が私はとても幸せです」