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上田淳子さんと行くお魚天国の町・明石。「魚の棚商店街」でお土産探し。

中心地にある「魚の棚」という商店街の名が示すとおり、お魚天国の町・明石。
現地に縁が深い料理研究家の上田淳子さんが、この町を楽しみつくすプランをご案内します。

撮影・鈴木泰介 文・西村法子 地図製作・竹中聡司

ただいま! 明石の魚たち。
ただいま! 明石の魚たち。

「神戸出身の私にとって、祖母が住んでいた明石は第2の故郷。また、実家で『おいしい魚が食べたい』となれば、わざわざ電車に乗って明石の魚の棚(うおんたな)商店街まで買い出しへ行っていました。兵庫県民にとって、明石は“魚の聖地”のような場所です」

穏やかな海を前に、そう話すのは料理研究家の上田淳子さん。祖母が他界した今でも、年に数度は東京から明石を訪れるには理由があるという。

上田淳子さんと行くお魚天国の町・明石。「魚の棚商店街」でお土産探し。

「西の魚が大好き。鯛やタコが有名ですが、子どもの頃から慣れ親しんだ穴子、鱧、カレイ、カサゴ……。どれも東京では味わえない味と鮮度のものを堪能できます」

そんな明石の魚の玄関口が、明石浦漁協の港。

行われているセリも独特で、揚がった魚は活きたままかごに入れられ、すぐに巨大なプールのような水槽へ。セリ直前まで海水の中で泳ぎ、値がつくと仲買の水槽へ猛スピードで移される。鮮度をギリギリまで落とさないよう考えられたシステムだ。

漁協の土井祐介さんによれば、この港には年間100種以上の魚種が揚がるそう。

「明石海峡は魚の餌となるプランクトンが豊富で潮の流れが速い。たっぷり栄養を摂り、潮にもまれた魚は身が締まりうまみも強いのです」

近々にもまた現地を訪れる予定だという上田さん。

「通い続けるうち、来たら必ず会いに行く生産者や飲食店も増えました。私にとって明石は、いつでも『ただいま』と戻ってきたい場所。その魅力を、皆さんにも知っていただけたらうれしいですね」

上田淳子さんと行くお魚天国の町・明石。「魚の棚商店街」でお土産探し。

明石浦漁業協同組合 セリ市特別見学

明石海峡大橋の真下で獲れる鯛をはじめ、目の前の明石海峡で揚がった魚介が一年を通して集まる漁港。迫力のセリ見学は、邪魔にならないよう注意を。

●兵庫県明石市岬町33・1
TEL.078・912・1771 
営業時間:11時~12時 水・日曜休
https://www.yokoso-akashi.jp/dairiten/kengaku/index.html 

※見学希望日の1週間前までに電話・HPより申し込み。見学費1,000円、2名以上受付、見学時間30分。

  • 上田淳子

    上田淳子 さん (うえだ・じゅんこ)

    料理研究家

    欧州の飲食店で修業後に帰国。その経験を活かした家庭でも作りやすい洋食レシピの開発、自宅ラボでの料理教室、食育まで幅広く活躍。著書多数。

『クロワッサン』1077号より

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