ラジオ界の伝説の2人、大沢悠里さんと毒蝮三太夫さんがポッドキャストに進出した理由。
撮影・黒川ひろみ、谷 尚樹 文・黒田 創 構成・堀越和幸
大沢 長い間やってきた番組が終わって、私の中ではそろそろ引退かな、という思いがあったんです。そんなタイミングでこのお話を頂いて「あ、それは面白いな」と。ずっと一緒にやってきたけど、いつも私はスタジオ、蝮さんは中継先で、2人で自分たちのことをじっくり話す番組はやったことがなかったから。
毒蝮 スポティファイって薬のことかと思っていたよ(笑)。けど、新しいメディアでジジイ2人に番組をやらせる視点が慧眼だね。昔のテレビ番組の『時事放談』をもじって『GG放談』。これも気に入った。
年寄りが自由に喋っていたら若い人が聴いてくれるように。
大沢 今のラジオはどうしても若者向けの作りになっちゃうんだけど、私ら年寄りが聴ける番組がもっとたくさんあってもいいんだよね。
毒蝮 でも『GG放談』は若者に人気なんだろ? 街で若い人に言われるんだ。「スポティファイの番組面白いです。両親にも聴かせました」って。
大沢 若い人は新しいメディアとの親和性が高いし、その中でわれわれの戦争体験や大昔の話を聴いてくれる。そこにポッドキャストをやる意味があると思ったね。今戦争をしている国があるけど、こんな時代だから昔の経験を伝えたいんですよ。
毒蝮 我々が話していることは昔と変わっていないんだけど、メディアのほうが追いついてきたね(笑)。またそういう反応があるものだから悠里ちゃんが最近生き生きしているよね。
大沢 長年生放送をやってきたから、そのプレッシャーからは解放されたのかもね。余計なことを言っても録り直せるから伸び伸び話せます。
毒蝮 あとはもっと年寄りに聴いてほしいんだよ。ポッドキャストってのは聴きたい時に聴けるんだろ? 年寄りでもスポティファイが簡単に聴ける機械、どっかで作ってほしいよねえ。(編集部注・毒蝮さんはスマホを「機械」と呼びます)
ラジオ界の2大巨頭が、自分たちの話や昔話、最近思っていること、時事問題など、何にも縛られず気ままにおしゃべり。Spotify限定配信。毎週土曜日更新。
『クロワッサン』1072号より
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