夏の模様替えで運気アップ、開運収納師に聞くインテリアのひと工夫。
撮影・黒川ひろみ スタイリング・矢口紀子 構成&文・今井 恵
夏は陰陽五行でいう「火」の季節。
「五行において、火と水はお互いを打ち消しあうものといわれ、涼しさ(水)を演出すると、暑さ(火)が和らぎます。視覚的に涼しい素材や質感、清潔感が運気を上げるコツです」
と話す、開運収納師の小西紗代さん。
「さらに心がけたいのが、五感を取り入れること。昔の人は自らの五感を使い、危機を回避し、生き延び、運を開きました。インテリアで五感を研ぎ澄まし、一緒に運気も上げましょう」
五感を大切にすることで、生活の中で直感が冴え、豊かになっていく。
「“気”は風水の基本中の基本。その気を取り入れ、流さなくてはいけません。なぜなら気には“生気”と“邪気”があり、生気を取り入れる際に邪気も入ってきてしまう。だからこそ、気をつねに流すことが大切です」
流すアイテムのひとつが音。夏に窓辺に風鈴を飾るのは、“涼しげな音で耳から心地よさを誘い、運気を上げる”という意味もあるのだそう。
「日本の夏特有の湿気もNG。湿気=邪気なんです。湿気がこもるとカビも生えるし、そのままにしては運気が下がります。湿気やほこりが溜まりやすい部屋の四隅をマメに掃除し、窓を開けて風を流す。除湿機を置いて、湿気がこもりやすい場所には扇風機で風を送り、流すのもよいでしょう」
掃除やゴミ処理をマメにすることで、視覚的にも嗅覚的にも運気がアップ。さらに肌に触れるシーツやクッションなどを夏仕様に替えることも必要。
「夏は短いので高価なものは必要ありません。理想的なインテリアを紹介していますが、家にあるものでも工夫し、上手に運気アップを試みてください」
〈 五感を取り入れると開運 〉
【視覚】すっきり感を心がける。
【聴覚】音の効果。
【嗅覚】香りの演出。
【触覚】ファブリック系の感触。
【味覚】旬の食材を取る。
[Keyword 1]換気よく。気がこもる湿気はNG。
高温多湿な日本の夏は、とかく部屋に湿気がこもりがち。
「湿気を防ぐにはとにかく換気。暑くともたまに窓を開けたり、カビ予防のためにも押し入れやクローゼット、靴箱に扇風機を向けるのもお勧めです。私は消臭や調湿効果のある竹炭を靴箱に入れています」(小西さん)。
また邪気が溜まりやすいといわれる部屋の四隅は、とくに掃除や換気を心がけて。
[Keyword 2]ディスプレイに季節を取り入れる。
「季節のものは視覚から感性を刺激します。夏らしい花や貝殻、砂をディスプレイしてみては? 私はガラスの瓶に砂を入れ、その上に貝殻を飾っています。どれも材料は100円ショップで揃うのでお勧めです」。
リースやスワッグは開運アイテムだそう。
「その際に枯れたものは風水的にNGです。ドライフラワーは使わず、花は生花、もしくは造花で」
[Keyword 3]涼しげな色で 体感温度を下げる。
日常的に使う食器の色は視覚効果をもたらす。
「風水的には自然の素材、木の器などがよしとされますが、夏はもう少し涼しげで色のあるものでもいいでしょう。涼しげなミントグリーンやレモンイエローなど色のついたガラスの器を用いてみては?」。
ミントなどを浮かべて、旬のさっぱりした味覚を加えていただくのもよい。
[Keyword 4]気の入り口、玄関によい香りを。
「悪臭は風水においてもってのほか。とくにものが腐りやすい夏場はゴミ箱は蓋があるものでにおいを防ぎ、マメに洗い、中身を捨てることが必要です。さらに気が入ってくる玄関に、よい香りを置くのもアイデア」。
出雲神塩が入ったディフューザーや柑橘系の香りのエッセンシャルオイルで、嗅覚から運気をアップして。
[Keyword 5]壁はすっきり見せる。
「壁一面に家族写真やお子さんが作った作品を飾っている部屋がありますが、壁にはなるべくものを飾らずに。風水では〝目〞が気を持っていくと言われるので、人の写真や人形は厳禁。飾るならリビングの一角にまとめ、壁面を極力見せて」。
また家じゅうが白壁なら、どこか一面をアクセントカラーにすると風水的によいとされる。
[Keyword 6]季節に合わせ、ファブリックを替える。
「ファブリックにも気は溜まります。同じものを使い続けると、気が滞りがち。毎日触れるクッションカバーやシーツ、枕カバーは気を流したほうがいいので、涼しげ、かつ洗える、リネンやオーガニックコットンに替えてみては」。
余裕があればカーテンを替えてみても。色や素材が涼しげになれば、部屋の印象も変わるはず。
[Keyword 7]音は気を流す。
「気を流すアイテムのひとつに音があります。夏なら風鈴や涼しさを感じる波や川のせせらぎもそう。とくに気の入り口である玄関に音が出るものがあるだけで気が流れやすくなります。マグネットでつけられる〝どありん〞も便利」。
ドアノブに鈴をつけるだけでも邪気よけに。風が通る窓辺にはウインドチャイムなどで涼しげな音を。
『クロワッサン』1074号より