くらし

10分で片づく家にするために、1日1カ所、7日間のプログラム。

  • 撮影・黒川ひろみ 文・板倉みきこ

[DAY4]子ども用の収納棚は、使いやすさを最優先に。

子どものランドセルや学校に必要なアイテムをしまうオープン棚は、親目線ではなく、管理能力が低い子どもの目線に立って整理し直した。

「取り出しやすく、戻しやすいかが重要。一番上の棚は子どもには取り出せないので、使用頻度の低いものを入れましょう。また、収納グッズは色を揃え、中身が隠せる不透明なものにすると(D)、見た目もすっきりきれいです」。

マスクやハンカチ、タオル、習い事に使うエコバッグなどの所有量が多く、子ども二人で使いきれないほどだったので、いったん全部出して種類別に分け、子どもが使いやすく収納し直した。一度出すことで処分できるものも多くあることに読者本人が気づいた。

棚の使い方を改善するため、入っていたものを全部シートの上に並べてみた。結果、ここになくてもいいもの、いろんな箇所に詰め込まれていて数が把握しきれていなかったものが多くあることが判明。明らかにゴミとして処分できるものも多数。

(右)子どもたちの名札を収納グッズの取っ手につけて。ファイルやノート類は立てて収納し、取り出しやすくした。
(左)マスクやティッシュ類をまとめ、使用頻度の高いものを手前に置く。マスクは右側から使っていく、というルールを設定。

[DAY5]扉で隠せるリビングの棚も整えれば機能性が上がる。

リビングの壁に設けたつくり付けの棚。天井に向かって狭まる角度のついた壁のため、最上段の棚には幅がなく、小さなものしか置けないつくり。

「ガラリ戸を閉めれば中身が見えなくなるとはいえ、透けて見えるので整然さは必要です。本を置く場所をまとめ、高さや色を揃えるだけで雰囲気が変わります。
また、下段の木製の引き出しの中にクリップやセロハンテープ、ペンなど、細細したものがぎちぎちに入っているので取り出しにくく、何がどこにあるか、どれくらいあるかが分かりづらくなっています。
ざっくり収納が楽だと思いがちですが、実は、よく使う細々としたものほど種類別に細かく分類して収納したほうが片づけも簡単に」

最上段にあった夫の腕時計収納ケースなど、この場所になくてもいいものは移動。ものが減ってスペースが生まれた場所には収納グッズを入れ、デッドスペースがなくなった。2段目は本の色や高さを揃え、左脇に寄せただけで印象が激変。下段右端の下にある薬を入れたケースの前面には白紙を入れて目隠し。

(右)空いたスペースに収納ケース(D)を2個設置。クリアファイルのストックを奥に入れ、手前は書類をとりあえず置いておくための仮置き場にした。
(左)引き出しの中には整理カップ(B)をいくつも入れ、ものの種類別に細かく分別。カップごとに連結できるので、引き出し内で動くことがない。

[DAY6]ソファ周りは夫のスペース。 夫が使いやすいよう再設定。

読書好きの夫の読みかけの本がソファのひじ掛けに溜まり、夫用に設けた小さな本棚も既にパンパン。

「収納場所を設けても、夫の動線に合っていなければ意味がありません。ソファで過ごす時間が長い夫のために、使い勝手のいい収納を考えるべき。
ただ、リビングはものの量を最低限にしておきたいので、ここでも枠を設けること。読みかけの本、これからすぐ読みたい本だけをリビングに置く、とルールを決めましょう。
そして、寝る10分前に本を枠に入れる、枠から出てしまう時は改めてここに必要な本かどうかをチェックしてもらうのを習慣づけていきましょう。習慣づくまでは行動を促し、一緒にチェックするようこころがけて」

ソファ周りにあった本を全て並べ、読みかけのものなど、ここに置いておきたい本を夫に選んでもらった。結果、ほかの場所に移動していい本が多数あることが判明。収納場所は、小さくて使いにくい本棚ではなく、出し入れしやすいカゴに変更。

夫が座る場所に実際座り、どの位置に収納場所があると本を取り出しやすく、戻しやすいかを確認することも大切。

[DAY7]量を減らし、整えて置けば、 靴自体の魅力も増す。

収納力たっぷりなシューズクローゼットがありながら、大きさ、高さがバラバラな靴を無作為に入れただけで、空間のムダ使いが気になると中山さん。夫は靴好きでこだわりもあるので、量を減らすことは難しく、妻と子どもの靴だけを見直すことに。

「量が減ると管理しやすくなり、結果手持ちの靴の魅力が再認識できます。靴の高さを揃え、置き方を整えればさらにスッキリ。また、ここになんとなく置いていたものが多かったので、移動すべきものは移動し、傘の量も厳選。夫の靴に関しては、大切にしているならたとえ履くのが年1でも置く意味はあります。とはいえ今後は季節の変わり目で要不要を確認する習慣はつけてもらいましょう」

自分と子どもの靴を全部取り出して床に並べてみると、現役のもの、そうでないものが一目瞭然に。もう履かないがまだ使える靴は人にあげることとした。また、下駄箱も季節の衣替えが必要。取り出しやすい場所にオンシーズンのものを置くこと。

スペースを有効活用できるよう、靴用の便利な収納グッズ(C)を多用。一足の収納スペースが半分になる。

中山真由美

中山真由美 さん (なかやま・まゆみ)

整理収納アドバイザー

『Ritta Stanza』主宰。著書に『10分でスッキリ! 捨てない片づけ』(主婦と生活社)が。

『クロワッサン』1065号より

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