年齢とともにますますシンプルで心地よい暮らしを、と提唱する沖幸子さん。その生活術は驚くほど明快だ。
「当たり前ですが、住まいの主人公は自分ということ。今の自分が気持ちよく過ごせるのはどんな空間かを知ることが、家事の仕方や暮らし方を工夫していく際の起点になります」
家族と住まいを共有していても、主人公は自分、という視点をブレさせずに暮らしや家事に向き合う。
「家族が非協力的だとか趣味が違うなど、いろいろあるでしょう。でも、そこでストレスを溜めて立ち止まってしまうと、いつまでたっても心地よさを実感できません。自分が機嫌よく暮らせていれば家族にもそれが伝わり、皆も自然と協力的になってくれるものです」
心地よく過ごすには、場がそこそこきれいに保たれていることが肝心。
「そこそこ、ほどほどでいい。完璧にしようと思わないで。家事に限らず物事には諦めも肝心。結局それが無理なく心地よい空間を維持するコツです」