くらし

料理本編集者・園田マリエさんの無理なく楽しい、暮らしの節約術。

我慢して切り詰めるだけが節約とは限らない。自分らしい工夫で豊かな日常を送っている園田マリエさんに話を聞きました。
  • 撮影・柳原久子 文・嶌 陽子

部屋をサイズダウン、モノも大幅に減らして暮らしも心も身軽に。

数十年にわたり、150冊以上の料理本の編集を手がけてきた園田マリエさん。4年前、約70平米のデザイナーズマンションから、45平米ほどのシンプルなマンションへと引っ越した。

「50代に入ってから、70平米はひとり暮らしにはぜいたくな広さなのではと思い始めて。さらに洋服や調理道具、器なども気づいたらどんどん増えていくばかり。引っ越すことでモノを整理しようと思ったんです」

かくして引っ越し時に大規模な断捨離を決行。大量の服や鍋類、器などを人に譲ったり処分したりして半分以下に減らした。そうしてコンパクトな生活を始めてみると、驚くほど快適なことに気づいたという。

「まず家賃が5万円ほど安くなりました。さらに持ちもの全てを把握できるようになったので、余計なものを買ってしまう失敗がない。収納する場所が限られているから、買おうとも思いません。気持ちもすごく楽になりました」

今の住まいは以前と違って駅近でスーパーマーケットにもすぐ行ける距離のため、ほぼ毎日、必要なものだけを買いにいき、無駄を出さない。一方、安売りしている食材があればまとめ買いして冷凍するほか、5%オフデーやポイント3倍デーもフル活用している。

「あまり厳密にやりくりするのは性に合わないし、料理や食べることは変わらず大好き。だからあくまでも自分のできる範囲で節約していますね」

昨年還暦を迎えた園田さん。長い編集者人生の中でバブル期も経験してきた。たくさんの服や調理道具、器などを所有して楽しんでいた時期も経て、今はモノが少ない、慎ましい暮らしでも満ち足りていると話す。

「最近は工夫しておいしい食事を作ることや、週に2〜3回、お得な価格で入会したジムに通うことでストレス解消できています。年を重ねて生活ペースもゆっくりしてきたから、無理なく節約できているのかもしれませんね」

コンパクトなキッチンは道具も少なく、すっきりしていて作業がしやすそう。冷凍室が大きめの冷蔵庫は、食材を安くまとめ買いし、ひと手間加えて冷凍保存することで上手に活用している。

節約術1(肉は安い時にまとめ買い、味付け冷凍すれば便利。)

スーパーで肉が安売りしていればまとめて買っておき、冷凍。調味料に漬け込みながら冷凍する「味付け冷凍」が園田さんの定番だ。

「節約になるだけでなく、忙しい時にもこれさえあれば手軽においしい食事が作れるので便利です」

今回紹介した豚肉味噌漬け以外にも鶏肉の梅風味やスペアリブなど、豊富なレシピを楽しんでいる。

豚肉味噌漬けレシピ

豚ロース肉約100gの赤身と脂肪の間に数カ所切り目を入れ、白すりごま・酒各大さじ1、味噌・薄口しょうゆ各小さじ1、オリーブ油・はちみつ各大さじ½となじませ、ジッパー付き袋に入れて冷凍保存。
3週間ほどもつ。解凍して弱火でじっくり焼けば、サンドイッチやごはんにぴったり。

節約術2(服はクローゼットに入る分だけ持つ。)

1LDKの寝室にある、押入れ1間分のクローゼット。引っ越してきた際に服は大量に処分し、ここに入るだけにした。

「色は黒、紺、カーキの3色がほとんどなので、着まわしもしやすく、これで充分です」

服はワンシーズンに1着買うくらい。さらに「1着買ったら1着処分する」と決め、徹底している。

オールシーズン分の服のほか、バッグなどの小物、さらにはタオル類なども全てこのクローゼットの中に収まっている。

節約術3(お手頃な牛すじ肉でごちそう感を出す。)

「牛肉は好きなのですが、高価なので頻繁には買いません。ただし牛すじ肉は積極的に使っています。お手頃な値段で買えるのに、ごちそう感があるんです」

買ってきた牛すじ肉はしょうゆ味の煮込みにして冷凍保存。他の具材と一緒に煮てポトフにするほか、炒めものやうどん、パスタなどさまざまな料理に活用している。

牛すじ肉の煮込みレシピ

厚手の鍋に下ゆでしてひと口大に切った牛すじ肉500〜600g、水5カップ、にんにく1かけ、薄切りのしょうが2〜3枚、長ネギの青い部分1本分、赤唐辛子4〜5本、しょうゆ・酒各1/4カップ、みりん・マーマレード各大さじ1を入れて煮立たせ、その後は落とし蓋をしながら30分ほど弱火で煮る。冷ましたら長ネギを取り除き、煮汁と一緒に冷凍保存。3週間ほどもつ。

節約術4(鍋や調理小物、器は少しあれば充分。)

以前は一緒に仕事をした料理家が使っているものが魅力的に思えて、とにかくたくさんの調理小物や鍋、器などを買っていた。

「引っ越しの際に道具を厳選してかなり少なくしました。これで充分に料理できるし、出し入れもしやすい。器も新しく買おうとせず、少ない手持ちの器でどうやっておいしく見えるかを考えます」

(上)普段使いの器はキッチン横にあるチェストの中に収まる分だけ。ちょっと使わないでいると埃などがついて洗い直すことになるのが面倒なため、ポリ袋に入れて収納。(下)鍋や調理小物などを収納しているシンク下。数が少なく、スペースもゆったりしているのでどこに何があるかひと目でわかり、出し入れも楽。
園田マリエ

園田マリエ さん (そのだ・まりえ)

料理本編集者

1961年、福岡県生まれ。家庭料理、作りおき、弁当、健康など様々なジャンルの料理本の編集を手がける。著書に『ひとり暮らしの台所』(家の光協会)など。

『クロワッサン』1062号より

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