くらし

ママ友付き合いや親の介護…高尾美穂さんの悩み相談室:「人間関係」と「家庭問題」編。

女性の心や体の悩みに寄り添う言葉が人気の医師で、ヨガ指導者としても活躍する高尾美穂さんに、よりよく生きるためのヒントを聞いた。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・利光春華 文・小沢緑子

【落ち込んだりストレスを感じたら?高尾美穂さんの悩み相談室。】

[人間関係]

●愚痴と人の悪口しか言わない友人。関係を断ちたいけれど、どうすればよい?

いっそ潔く手放してみてはどうですか。心が軽くなりますよ。
LINEはスタンプひとつで終わらせる、徐々に接触する機会を減らすなど、やんわりと離れていけばいい。
いくら一生懸命働きかけても本人が変わろうと思わない限り、人は変わりません。
相手が変わるのを待つより「私ができる範囲内ではない」と心の中で仕分けをしてしまいましょう。

●職場の仲間と打ち解けられず孤立しています。嫌われている気がして萎縮してしまう。

孤立してしまう人にもそれなりの理由があると考えます。
人と目を合わせるのが苦手な人もいますが、それが原因で相手の誤解を招いていることも。
職場は社会的な環境。少しだけ客観的に自分のアクションを振り返ってみることも大切です。
一番簡単なのが挨拶の見直し。心をいったんほぐして自分から挨拶すると関係性が変わるかもしれません。

●何かにつけ、自分と比べてくるママ友に疲れます。顔色を見ながらの付き合いに辟易。

人と比べる行為は自分に自信がない証拠。ただ、それを変えられるのは前述したように本人だけ。「この人はこういう人なんだ」と受け止めてしまったほうがラクになります。
ママ友の場合、顔を合わせざるをえないときもあるでしょうが、自分に余裕がないときは、「今日は時間がなくて」と物理的に一緒にいる時間をなくすのもいい方法。

[家庭問題]

●子どもは独立、夫の定年も間近。母、妻としての役割を終えて、この先どう生きていいかわからない。

子育てが終わるころは更年期で女性ホルモンの影響から心も体もガクッと落ち込む人もいます。
ただ人生はこれから。次なる自分だけの楽しみを探すことが大切。
おすすめは「成長するもの」です。何か育てる以外に、趣味のスキルを上げることでも構いません。日々成長、変化するものに接してワクワクすると元気になるし心も前向きになります。

●親の介護が深刻化。自分の時間も取れず、長いトンネルの中にいるようで心が塞ぐ。

介護は子育てのような成長ではなく、人生の終焉に向けて体が衰えていく様を目の当たりにするため、確かに心が塞ぐかもしれませんね。
まずはあなたの心と体を休めましょう。さらに介護にかけられる時間と労力を冷静に見直すこと。持続可能な仕組みを作るために家族の協力や行政サービスの利用も考え、絶対にひとりで抱え込まないで。

●更年期の影響か、夫や子どもにキリキリと当たってしまう自分がイヤ。もっと肩の力を抜いて生きたいのに。

身近な存在の夫や子どもだから、当たってしまうんですよ。家族とはいえ、距離のとり方は大事。自分の最大の味方である大切な家族にこそ、マイナスの感情を向けないよう心を注ぐことも必要です。
また、今の自分は更年期で体や心が不安定なときもあることを率直に伝え、理解してもらいましょう。家族の対応も変わってくると思います。

ストレスに負けない処方箋

■何となくモヤモヤとしたものが残ったときは、言葉にする。

まず、言葉に出しましょう。たとえば「何に対してモヤモヤを感じるのか」「それに対して今できることは?」を言葉にすると頭の中が整理されます。

■意識的に ポジティブな言葉を選ぶ、言い換える。

例えば疲れたら「つらい」ではなく、「よく頑張った!」と意識的に言葉を言い換えるのもいい方法。思考もポジティブな方向へと変わっていきます。

■嫌だなと思ったら、その場を去る。

どうしても納得がいかない出来事が起きたときは、「場を外す」のも選択肢。トイレでもいいのでその場をいったん離れてクールダウンさせましょう。

■寝てしまう。

それでも気持ちが収まらなければ、早く帰って寝るのが一番! 睡眠中はストレスホルモンの分泌が低下するので、翌朝には客観視できるようになります。

■ネガティブな出来事や感情をリフレインしない。

記憶は繰り返すほどに濃く残るので、嫌な出来事や感情はわざわざ思い起こさないほうがいいです。人に愚痴るのも記憶の再現になるのでほどほどに。

■自分が没頭できることに集中する。

好きなことに集中し夢中になっているときは、嫌なことがあってもすっかり忘れています(笑)。運動でも趣味でも何か没頭できることを持つのも防衛策。

■気持ちを上げるために、 お祓い的な行動をきっかけにする。

気持ちに区切りがつく”プチお祓い”を用意しておく手も。炭酸飲料を飲む、シャワーを浴びるなど、気分がスカッとすることなら何でもいいと思います。

高尾美穂

高尾美穂 さん (たかお・みほ)

イーク表参道 副院長

産婦人科医、スポーツドクター、産業医。ヨガ指導者としても活躍。近著に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』『いちばん親切な更年期の教科書』。

『クロワッサン』1060号より

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