【試して納得】細かなゴミもサッと掻き出す、職人が手作業で仕上げる小さな箒。
撮影・多田寛 文・板倉ミキコ
箒には箒神という神様が宿り、玄関に飾ると幸せをかき入れると言われていたり、安産を祈って箒で妊婦のお腹を撫でる、なんてならわしもあります。
元は、掃き清める、穢れや邪気を祓うための祭祀の道具として使われだし、掃除に使われるようになったのは平安時代から。暮らしの道具とは言え、箒で掃除をすると自分の心の中までスッキリするように感じるのは、神聖な道具という起源をDNAが覚えているからなのかもしれません。
我が家には、元々座敷箒がありました。見た目が可愛いので、キッチンの片隅の壁にフックで吊るしてあり、埃や食材の屑が目についたらサッと取り出してパパッと掃除できてしまう便利さがとても気に入っていました。
ここ最近在宅で仕事する時間が増え、箒の仲間を増やしてみようかと思い購入したのが、さらに見た目の可愛さが増す“子”箒たち。
正しくは“小”箒なのですが、大きな箒と並べると、まさに子供のよう。
こちらは、箒好きにはおなじみのブランド中津箒のもの。神奈川県にある中津地方では、150年ほど前から箒づくりが続いているそうです。
箒の品質を左右するのは、素材と職人の技。中津箒では、自社で箒の原料・ホウキモロコシを無農薬で栽培し、全て職人による手作業で仕上げています。ホームページを見ると、職人の個人名で売られているシリーズもあり、箒作りに対する自信とプライド、そして愛情を込めて作っている責任感も感じられます。
素材の良さは、使ってみると一目瞭然。ホウキモロコシの穂先のコシとしなやかさは、細かいところのホコリやゴミを掻き出すのに最適です。パソコンのキーボード、本の上、テーブルの上のパン屑などを綺麗に掃除してくれる、小さいのに、大した働き者です。
知らないうちに掃除してくれる掃除ロボットに愛着が沸くのも分かりますが、気付いた時にサッと掃除ができ、音もせず、そして電気もいらない箒の価値が今改めて見直されてきている、というのも納得です。
ちなみに、箒とは切っても切れないパートナーのちりとりにも言われはあります。ちりとりの原型の“はりみ”は、“身が入る”ということを連想させるため、箒同様こちらも縁起物。
今年最後の買い物リストにちりとりを入れ、お気に入りを見つけたら、来年は今年以上に気持ちよく1年を過ごせそうです。(ライターMikiko)
<商品概要>
■商品名:ななめ小箒 20cm(税込 5,280円)
■商品名:筒型小箒 12cm(税込 1,650円)
■商品名:ちりとり 16×11.2cm(税込 2,200円)
■販売:クロワッサンの店
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