これからの暮らしに寄り添う物だけ。減らすだけじゃない、松見早枝子さんの持ち物管理術。
撮影・青木和義 文・板倉みきこ
「これから」に向けて、厳選したクローゼット。
衣類やバッグもかなり整理した。「若い頃がんばって買ったブランド物のバッグは、今のライフスタイルには合わなくなったので、親戚の子に譲りました。洋服や靴もいつか使うかも、と大量に置いてありましたが、本当に好きなもの、使うものだけに厳選。結果、衣類やバッグのテイストが揃い、余白ができて管理しやすくなりました」
(1)以前はぎっしり詰まっていたバッグを置くスペースがゆったり。「これで大丈夫かな、と心配になるくらい減らしました(笑)。でも、数を持っていたいと思っていた若い頃とは、価値観が変わったことを実感します」
(2)残った服は、色、デザインなどに統一感がある。「良質なものなら”一生もの”という考えもありますが、私は『服は永遠ではない』と思うタイプ。今の丈、形が欲しくなるので、量はこのままで内容は変わると思います」
(3)ブーツはあまり履かなくなったのでほとんど処分。1つだけ残したのが「サルトル」のロングブーツ。「上質なレザーを使ったこのデザインは、今後も決して色褪せないと思ったので。履き心地もとてもいいんです」
片づく=殺風景ではない。息子発案のスペース。
スッキリしていいと思っていたリビング奥の一角。息子に「殺風景でつまらない」と言われて、大きめの鏡とコンソールを置くことに。「鏡のおかげで空間に広がりが出ました。また、好きだけど香りが強くて食卓には置けなかった花を飾ったりもできるように。息子は好きな天然石を愛でるスペースができて、お互い大満足でした」
(4)収納グッズは極力増やさないようにしているが、クローゼットには必要と選んだのが「無印良品」の布製ソフトボックス。「使わないときは潰してストックできるし、処分するときもプラスチック製より楽だからです」
(5)カットソーやセーターなどの数もかなり減らした。「厳選した後、私って黒かベージュ、グレーしか着ないんだ、と改めて気づきました。今後流行に合うものを買い足しても、好きな色、着る色に限られていくはず」
眼鏡やサングラスなど、よく使う小物で、外に出しておくとホコリが気になるものは、「ハウスオブロータス」のシルバー缶にまとめて。「外に出しておく収納容器は、デザインが本当に好きなものを選んでいます」
『クロワッサン』1041号より