くらし

コロナ禍の家計のピンチを乗り越えるには?【深田晶恵さん×駒村多恵さん対談】

生活が一変してしまった2020年。思いがけず出費がかさんだり収入が減ったりして、ふと気づけば家計がピンチになっている人も少なくないのでは。
そんな今こそ、お金について見つめ直すいい機会です。
ピンチを乗り切り、はっきりとは見通すことのできない未来に備えるための考え方を身につけましょう。
どんな時代になっても、暮らしを楽しみ、お金と上手に付き合える人こそ最強です。
  • 撮影・青木和義 文・黒澤 彩 イラストレーション・矢部太郎

2021年、もっとたくましい家計に生まれ変わるには?

左「モヤモヤした不安の 正体がわかれば もう怖くありません。」(深田晶恵さん)/右「ピンチをチャンスに。 今だからできることも たくさんあった!」(駒村多恵さん)

老後資金問題などで、多くの人がお金の不安を抱いていた矢先のコロナ禍。まだまだ続きそうなこの非常時にも家計を守るために、どう考え、どう行動すればいいのでしょうか。フリーアナウンサーとして朝の情報番組などで活躍する駒村多恵さんも、昨年は戸惑うことが多かったといいます。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに素朴な疑問を投げかけてみました。

駒村多恵さん(以下、駒村) 本当に大変な一年でした。私自身、コロナの影響で昨年の緊急事態宣言後も二度にわたり2週間ずつ仕事を休まなければいけなかった時期があり、こんなふうに不可抗力で収入が変わることもあるんだなと実感しました。

深田晶恵さん(以下、深田)そうですね。フリーランスだと収入に直接ダメージが出やすいし、会社員でもボーナスが減るなど、収入ダウンになった人は多かったでしょう。

大増税? インフレ? 見えないオバケに立ち向かう。

駒村 これから日本の経済はどうなっちゃうんでしょうか?

深田 そうですね、最初にちょっと怖い話をしてしまいましょう。閣議決定された令和2年度の予算の総額は175兆円超え。政府はコロナ禍で一気に使うことになったこのお金を、近い将来何らかの方法で回収するはずです。

駒村 やっぱり、増税ですか?

深田 その可能性は高いです。でも、怯えていても仕方ありません。まずは大変だった昨年の支出を振り返ってみましょう。駒村さんも予想外の出費があったのでは?

駒村 たくさんありました。感染予防対策でエアコンを買い替えたり、加湿器やサーキュレーターを買ったり。高齢の母と暮らしているので、とくに気をつけているんです。あと、リモートでの仕事用に通信環境を整えるのにもお金がかかりましたね。

深田 1人10万円の定額給付金では足りませんでしたね。

駒村 ああ、もう全然足りません。大きな買い物だけじゃなく電気代もずいぶん高くなりましたし、マスクや消毒の衛生用品代も想定外の支出です。

深田 このピンチは、お金の使い方を見直すチャンスでもあります。ある女性の「収入が減って、年金生活を擬似体験できた」という言葉に、なるほど!と膝を打ちました。

左「暮らしと同じように家計もスッキリ整えましょう」(深田さん)/右「昨年は出費が増えたけど、時間の余裕ができました」(駒村さん)

駒村 ちょっとわかる気がします。私はコロナ禍になってから老後のことを考えて、iDeCoに入ったんです。今後、世の中がどうなるかわからないし、インフレとかも怖いですし。

深田 iDeCoに入ること自体は「◎」なのですが、インフレが怖いからという動機は「×」です。

駒村 そうなんですか? インフレのリスクがあるから、貯金だけでは危ないという話を聞いたのですが……。

深田 「インフレになると怖い」「年金はあてにできない」といったフレーズって、オバケのようなもの。オバケは正体がわからない、つまり、具体的に何が起こるのかイメージできないから、なんとなく「怖い」と思い込んで不安に駆られてしまうんです。

「インフレになったらどうしよう。増税も恐ろしい〜。」(駒村さん)

駒村 煽るようなフレーズについ反応してしまいますが、冷静に考えてみないといけないですね。

深田 インフレになってお金の価値が今よりも下がる心配はあるけれど、毎年数パーセントずつ減り続けるようなことはないでしょうから、将来的に貯金がちょっと目減りするくらいと思えばいいのです。そういうふうに自分に引き寄せて具体的に考えると、「見えないオバケ」じゃなくなります。

駒村 貯金がどんどん減ってしまうということじゃないんですよね。漠然と、すごく減ってしまうかのような刷り込みがあったかも。

「不安を煽るようなフレーズに振り回されてはダメ。」(深田さん)

深田 気をつけてほしいのは、コロナでの不安を解消するために、まとまったお金で金融商品を買ったりしないことです。金融機関の人に「インフレ対策にはこれがいいですよ」なんて勧められても、鵜呑みにしてはいけません。投資を始めるなら、毎月一定額を積み立てる方法で。

駒村 私も銀行で勧められたものがあって、危うく買うところでした。やめておいてよかった。それにしても、この状況がいつまで続くかわからないから、今年は節約を心がけなくちゃ。

深田 コロナ前とコロナになってからの支出を書き出してみてはどうでしょう? コロナ前の金額は大体このくらいだったなと思い出して。そうすると、毎月恒常的にかかるものと、家電のような臨時出費がそれぞれいくらくらいか、見えてきます。

駒村 いちばん高額だった出費は、たぶん家電です。

深田 それって明らかに臨時のコロナ対策費ですよね。毎月の支出とは関係なくいざという時の貯金から出したお金として、忘れてしまいましょう。

駒村 忘れていいんですか?

深田 コロナ禍での大きな支出は、もう済んだことです。チェックすべきはこれからも続くであろう毎月の支出。例えば、光熱費が増えたけれどランチ代が減ったという人もいるでしょうし、家族の食費は増えたけど交際費は減ったという人もいるのでは。トータルでどのくらい増減したのか、支出の状況を正確に把握するには、書き出してみるのがいちばんです。

駒村 たしかに、増えたものと減ったもの、両方ありそうですね。そういえば洋服代が減ったかな。母が若い頃に着ていた服を引っ張り出しては組み合わせを考えるのが楽しみで、新しい服をほとんど買いませんでした。今日の服も母のお下がりです。

【家計の年間支出を比べよう! コロナ前とどう変わった?】

30万円の臨時出費は、毎年ある支出ではないので、忘れてしまってOK。

上図は夫婦+中学生の子ども1人の家庭の例。在宅時間の増加で増えた食費、光熱費、マスクや消毒液など衛生用品の購入で増えた日用品の支出よりも「固定費」に注目。通信費と保険料の見直しは節約効果大。

「支出増ばかり気にしていたけど、減った費目もあるのかも?」駒村さん

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