服から帽子まで一気に見渡せる、ファッションディレクターのクローゼット作りアイデア。
撮影・豊田 都 文・小沢緑子
服からグローブ、帽子まで、一度に見渡せるクローゼット。
その時々のときめきが詰まったクローゼット。
ファッションのプロ、萩原輝美さんにとって自宅でのとっておきの場所が、寝室の壁一面に造り付けたクローゼットのあるコーナー。
「壁一面の大きなクローゼットはずっと欲しいと思っていたんです。今の家に移り住んですぐに、インテリアデザイナーに頼んで実現させました」
仕事柄、所有する服が多く、備え付けのウォークインクローゼットに収まりきらないことはわかっていたという。
「それにコーディネートを考えるうえで、服から小物まで一つのクローゼットに揃っていたほうが便利ですよね。天気や気分によって服を決めたら、小物を足し算、あるいは引き算していきたいので」
壁一面に造り付けたといっても、白一色のモダンなデザインで圧迫感がない。真ん中にドレッサーを挟み左右対称に設けた扉を開けると、左側には秋冬もの、右側には春夏ものの小物などをアイテムごとに分類。100種類はあるというタイツは色別に引き出しに収められている。さらに、目を引かれるのが、前板がガラスになっていて、中に収めた色とりどりのグローブが見える引き出し。
「私は手袋フェチで(笑)、一年中コーディネートの仕上げに欠かさないんです。黒や茶だけでなく、ゴールド、赤、グリーンなど色遊びができるものも、革、レースなど季節に合う素材違いで持っているので、選ぶときに見えやすいデザインにしてもらいました」
もう1カ所、お気に入りのコーナーが、全面ガラス窓で自然光が気持ちよく差し込むドライエリア前。本棚と小さなテーブルと椅子を置いたこぢんまりとした空間も逆に落ち着く。
「ここは郵便物を開いたり、雑誌や本をパラパラと眺めたり、来客との簡単な打ち合わせにも使っています」
ミニテーブルと椅子を置いて、憩いの場に。
萩原輝美(はぎわら・てるみ)さん●ファッションディレクター。パリ、ミラノなどデザイナーズコレクションの魅力を取材し、多媒体に寄稿。自身のブランド「ten.」も手掛ける。
『クロワッサン』1030号より
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